国連「国際ガールズ・デー」の11日、東京・国連大学にて国際NGOプラン・ジャパン 国際ガールズイベント『羽ばたけ!世界の女の子』が開催された。今年7月に“Because I am a Girlエンジェル”に就任した森星、ジャーナリスト・池上彰氏、インドで活動をするプリヤンカさんが登壇し、女性が教育を受けることの大切さを訴えた。また昨年ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんのドキュメンタリー映画『わたしはマララ』の特別試写会も行われた。
「エンジェルとはメッセージを伝える人。世界中の女の子から届いたメッセージを日本の皆さまに伝えるのが私の役目です」と冒頭の挨拶で語った森星は、「昨年秋にベトナムの山岳地帯を訪れたことが(関わることになった)きっかけだ」と言う。家で虐待を受けたらどんな意志をするべきか、人身売買からどうやって身を守るべきかなどを話す「女の子クラブ」を視察した時の様子を語る。
結婚のために13歳で学校をやめなければならなかった女の子、父親が事故にあい学業や先生になる夢を諦め家計のために働き始めた女の子の苛刻な環境に「うちのめされた」と言う森だが、「希望の種ともいえる女の子にも出会った」と微笑む。
「どの女の子もいい方向に変えれるパワーを持っている。女の子が秘めたパワーを発揮し女性であることを楽しんで生きていけるように、私たちで応援していかなければならない」「エンジェルとして私の仲間になってくれたらそんなに嬉しいことはない。頑張りましょう」と観客の前で訴えた。
インドからは土地を持たない貧しい村の生まれで現在は小さな部屋2つに9人で生活しているというプリヤンカさん(18歳)も登壇し、女性が教育を受けることの難しさ、必要性を訴えた。
映画『わたしはマララ』の上映後、「映画で不覚にも泣いてしまった」と明かす池上彰氏が登場。「世界にはマララさんが沢山いる。彼女(プリヤンカさん)がインドのマララさんになるのだろう」と話す。
昨年、パキスタンを訪れた池上氏は、女性が教育を受ける上でまず親が反対する、その村の長老を説得しないと勉強をする教室を開くことができない現状を語る。「読み書きができるようになると自宅の電気料金の請求書が読めるようになる。娘を勉強に通わせて良かった」と思うパキスタン人の家族、「初めて自分の名前を書けた時本当に嬉しいと思い、“これが自分の名前なんだ”と自分の存在感を知る」話など、テレビでお馴染みの誰もがわかりやすい解説で女性の教育の必要性、これからの日本・日本の女性がどうあるべきかを説いた。
これから私たちにできることは「21世紀のアラブ民族の大移動とも言えるヨーロッパに押し寄せるシリア難民に、豊かな国に住んでいる私たちに何ができるのか考えることが大切」と言い、世界には「日本っていい国と言われるよう、日本のファンを作っていくことが安全保障にも繋がっていく」と訴えながら「優秀な女性は海外に行ってしまう。日本の未来にとってもったいないことだ」と嘆く場面もあった。
(TechinsightJapan編集部 うめ智子)