9月14日に千葉県松戸市で起こった、飼い主らを噛みケガをさせた紀州犬を警察官が射殺した事件。ニュースが報じられた当初は「射殺以外に手段はなかったのか」「13発も発砲するなんて、犬がかわいそう」と警察官らを非難する声がツイッター上に溢れていた。しかし事件の詳細や犬が飼われていた環境が報道されるにつれ、飼い主の責任を問う声が増えてきている。この事件を受けて、愛犬家で知られる医師のおおたわ史絵氏が、ブログで「噛まない犬」について見解を述べている。
報道によると13日に飼われていた家から脱走した体長約1m20cmの紀州犬は、同日午後9時過ぎに10代の男性を、翌14日午前2時頃には20代の女性に噛みつき負傷させた。被害女性の友人からの通報で駆けつけた3人の警察官が、飼い犬の行方を捜していた男性と一緒に付近を捜索したところ、女性が襲われた現場付近で犬を発見。まずは飼い主の男性が犬を捕らえようとするも失敗、抵抗され噛みつかれてしまう。ついには制止を試みる警察官らにも犬は襲いかかり、やむなく飼い主の了解を得て拳銃計13発を発砲、その場で犬は射殺された。
15日の情報番組では各局がこの事件をトップで扱い、紀州犬は劣悪な環境で飼育されていたことが伝えられた。近所の人の話では狭いベランダに繋がれて飼われ、散歩に行く姿も見たことがなかったという。
保護犬シェルターをサポートする活動も行う医師のおおたわ史絵氏は、15日のブログ『ただいまネイチャー中』を「噛まない犬」と題して更新。今回の事件に心を痛め、飼い主の意識の向上を訴えている。
おおたわ氏は犬が吠えたり噛んだりするのは「必ず理由がある」と述べ、そうさせないのが飼い主の責任だとしている。「噛む必要が無いと教えられれば、彼らはバカなことはしない」と記し、「ただ餌をあげるだけじゃ犬は育たない、人間と同じ」という意見にはうなずく愛犬家も多いだろう。
今回の事件は犬を飼っている、いないに関わらずネット上では警察官の発砲について賛否両論がある。亡くなった紀州犬“ミリオン”君にはどうか安らかに眠って欲しい。
※画像はおおたわ史絵のブログ『ただいまネイチャー中』のスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 みやび)