9月2日から日本でのサービスを開始する世界最大規模のエンターテインメント動画配信サービス『Netflix』。インターネットテレビの普及は、やがて日本のテレビ業界を衰退に追い込むのではないかと危惧する声も出ている。女装家タレントのマツコ・デラックスも日本のテレビ産業の未来に対し、大きな懸念を抱いていることを明かした。
世界50カ国以上でサービスを実施し、6500万人を超える会員を抱える動画配信サービス『Netflix』(米)が、9月2日から日本でサービスを開始する。各種テレビやPC、ゲーム機、タブレット、スマートフォンなどのインターネット接続デバイスで利用可能。多くのドラマや映画が、低料金(650円~)の月額定額制で楽しむことができる。
8月24日に放送された『5時に夢中!』(TOKYO MX)の“夕刊ベスト8”のコーナーにて『Netflix』の話題が取り上げられると、マツコ・デラックスは「650円は衝撃だったね」とコメントした。膨大なコンテンツの量と画質の良さ、そして低料金を武器にやってくる「黒船」に対して、日本のテレビ局はどう対抗するのだろうか。
同番組のMCであるふかわりょうは、「TOKYO MXはスマートフォン向け無料アプリ『エムキャス』で、一部の番組やアニメを配信している」と説明した。ただし、同局の看板番組とも言える『5時に夢中!』は対象外である。これを聞いたマツコは「テレビ局のネット対策って、小手先でやるよね」と厳しい表情を見せる。
「平成25年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(総務省調べ)では、20代の平日のネット利用時間がテレビ(リアルタイム)視聴時間を上回る結果が出ており、若者のテレビ離れは確実に進んでいる。この現象は若者だけではなく、中高年の間でも自由な時間に映画やドラマを楽しみたいという層は確実に増えているようだ。年代を問わずより多くの視聴者が動画の視聴は、自らに選択権があることを歓迎しているのだ。
民放のテレビ局でレギュラー番組を多く持っているマツコは、上層部に対し「テレビという産業が廃れないために」広告の仕組みなどを含め、あらゆる面で検討し直して欲しいと真剣に訴えていた。驚いたのは「自分たちの(任期)期間中の、保身だけを考えないで」と踏み込んだ発言があったことだが、これはテレビを愛すればこその将来を憂うマツコの思いからであろう。
(TechinsightJapan編集部 みやび)