初夏が近づき、汗ばむほどの暑い日も増えてきた。これからの季節、よく目にするのが殺虫剤のCMだ。「金鳥の夏、日本の夏」というキャッチコピーでおなじみの蚊取り線香のCMも定番だが「キンチョー」といえば、最近ではユニークかつシュールなCMが印象的だ。今年もさっそく独特の存在感を放つWEB限定動画5本が公開されている。
タレント・山瀬まみがブルーの頭とピンク色の身体で河童に扮する「水性キンチョウリキッド」、熟女3人組が歌と踊りを披露する「虫コナーズ」などキンチョーのCMには一度見ると忘れられない作品が多い。
そのキンチョーが新たに公開しているWEB動画が『蚊と戦うKINCHO』シリーズ5本だ。タイトルからはずいぶん勇ましい印象を受けるが、登場するのは年配の夫婦「カー・オルデー」&「ナンシー」だ。その名前とは裏腹に、2人ともどう見ても日本人。そして話し声は海外ドラマの日本語吹き替えのよう。これらのアンバランス加減が、なんとも言えないシュールな空気を生み出している。
『蚊と戦うKINCHO おそとで戦う篇/60秒』では、海外のテレビショーのような軽快なメロディと拍手の中、司会のカー・オルデーが和室の掃き出し窓にスーツ姿で立ち、蚊が媒介する感染症について説明する。その後、アシスタントのナンシーが登場、普段着で髪をうしろに一つにまとめたナンシーが庭で眉間にシワを寄せながら「ハエ・蚊ハンター」を強力ワイド噴射。「これで安心してバーベキューができるね、どうだい? ナンシー」と尋ねるカー・オルデーを尻目に、ナンシーはすでに無表情で串に刺さった肉や野菜をむさぼるように食べている…。
『蚊と戦うKINCHO いつでもどこでも 熱唱篇/60秒』では、「爽やか」と「ダンディ」からカー・オルデーの歌唱タイプを選べるという親切設定となっている。「爽やか」では若い男性が歌うヒットソングのように、そして「ダンディ」では張りのある伸びやかな声でカー・オルデーが歌い上げ、最後には隣で聞いていたナンシーが相変わらずの無表情ながらも涙を流す。どちらのタイプも声は別の人だとバレバレである。
そして『蚊と戦うKINCHO おでかけで戦う篇/60秒』では、イケてるレディとして登場したナンシーが、公園の噴水のふちに腰かけて、ミニのパンツ姿で脚線美を披露する。ちなみにこれらの動画は、真冬に撮影したとのこと。脚をむき出しにしたナンシーはさぞかし寒かったことだろう。この動画に出演しているのはカー・オルデー役が乃木貴寛、ナンシー役がるり江、2人ともキャリアのある俳優だ。真冬を感じさせない出来映えには役者魂が感じられる。
これらは一見、コントのようなユニーク動画ではあるが、昨年も代々木公園が封鎖される事態にもなり、注意を払った人が多かったデング熱や、マラリア、日本脳炎という蚊が媒介する感染症について説明したり、用途に合わせた対策商品を紹介しているのは、さすがはキンチョーといったところ。シュールな動画にクスッと笑いながら、夏の虫除け対策の参考にしてみてはいかがだろうか。
特設サイトURL: http://www.kincho.co.jp/all_day_kincho/index.html
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)