人とは少しずれた発言や不思議な言動で周囲を笑わせてしまう人を表す“天然ボケ”という言葉。今でこそ当たり前のように使うこの言葉だが、そもそもはお笑い芸人であり芸術家のジミー大西を表すため、“欽ちゃん”こと萩本欽一が使用したのが始まりだという。その当時の状況をよく知る明石家さんまが、自身のラジオ番組でその由来について語った。
4日に放送されたMBSラジオ『ヤングタウン土曜日』の中で、人の特徴を表す際に用いられる“天然”という言葉について触れたさんま。今でこそごく普通に使われているこの言葉だが、さんま曰く初めて使用したのは大御所芸人・萩本欽一なのだという。
そして萩本に“天然”と言わしめた人こそ、お笑い芸人であり芸術家のジミー大西。以前萩本がジミーを番組で使いたいとさんまに頼んだことがあったそうで、さんまは快諾。しかしすでに様々な番組でお分かりの通り、ジミーはかなり個性的なキャラクター。そのため、さんまはあらかじめジミーの人となりを説明したにもかかわらず、さすがの萩本も扱いきれなかったそう。
結局、ジミーは3週で番組を降板することに。そのとき萩本が吐き捨てるように言ったのが「天然だね」という言葉。後日さんまのもとを訪れ「『天然だね』って言われまして」と降板理由を伝えたジミー。その話を聞いたさんまは爆笑し、ちょうどそのとき収録だった『オレたちひょうきん族』でジミーを天然呼ばわりしたそう。
「そのとき、人に対して“天然”って(言葉を使用したのは)初めてだったんですね」と語ったさんま。それから10年近くはその言葉自体が埋もれていたそうだが、いつの間にか“天然”が普通の言葉として帰ってきたときは随分驚いたそうで、「言葉の社会で生きてる俺たちにとっては“へっ!?”という感じ」だったという。誰かが『ひょうきん族』での発言を覚えていて、何年かかかって世に広まったのではないかと語った。
「私よく天然って言われる」「○○は天然だよね」そんな風に当たり前に使われている“天然”という言葉だが、元々は吐き捨てられた言葉だというから驚きだ。しかし、“天然”の本来の意味が“ジミー大西のような人”を表す言葉だとすれば、世間で言われている“天然さん”たちは相当な個性の持ち主ということになるだろう。
(TechinsightJapan編集部 根岸奈央)