無事にゴールした瞬間、“なぜだか涙が出た”という声がツイッター上で相次いだ。「お祭り男」宮川大輔とご当地キャラ・ふなっしーのコンビが挑んだ、雪山での過酷なソリ祭り。視野が極端に狭いことから、目の部分をくり抜くことも本気で考えたというふなっしーと、最後まで滑りきることはもちろん、“人気者を無事に日本に帰さなければ”と心に誓っていた宮川。一歩間違えば大ケガにつながるレースだったが、“宮川さんなら任せられるなっしよ！”とふなっしーはソリに乗り込んだのだ。

2014年9月に放送されたイタリアでの石鹸箱祭りが大好評だった宮川大輔とふなっしーのコンビが今回向かったのは、アルプス山脈の麓にあるドイツ・プフロンテンで行われたソリ祭り。3月29日『世界の果てまでイッテQ！』春のシャッフルSP（日本テレビ系）の放送が始まると、ふなっしー自身もテレビを見ながらツイッターで当時の苦労話などをつぶやいてくれた。

伝統あるソリで全長約1kmのコースを滑るレースは、最高時速が80kmにも及ぶスピードが出るという。急カーブあり崖のような下りありと、地元の参加者でも危険が伴うコースだ。『ふなっしー（funassyi）　ツイッター』によると、「ふつうに骨折した人いたなっしよ」とのこと。好タイムを狙うどころか、完走すら危うい。少しでも無理をすれば、ケガ人が出かねないレースなのである。

前日のリハーサルで検討した結果、運転を担当するソリの前方にはふなっしー、ブレーキを担当する宮川は後方に乗り込むことになった。だがふなっしーの視野は前方が辛うじて確認できるくらいのもので、運転の技量がどうのこうのという問題ではない。また1人と1梨を乗せた総重量が約200kgの高速で走るソリを、宮川だけで止めることは不可能であった。リハーサルでは一度も完走できなかったコースでの本番を翌日に控え、ふなっしーは“ガチャピン”のように目の部分を大きくくり抜き、ゴーグルを装着しての走行も覚悟したほどのレースだったのだ。

だがツイッターによると、本番でふなっしーは“宮川さんなら任せられるなっしよ！”と彼に全幅の信頼を寄せ、普段通りの出で立ちで本番に臨んだ。レースが始まると宮川はふなっしーの後ろで的確な指示を出し、ほとんど前が見えなくともふなっしーはそれに素早く反応し、ソリを操縦していた。お互いに信頼し合っていなければ恐怖の方が勝り、バランスを崩してクラッシュしたかもしれない。最後まで諦めず完走を目指して滑走する2人（？）の姿に、多くの視聴者が感動したようだ。

宮川だけで参戦するレースなら完走はもちろん、好タイムも十分期待できる。今回のソリ祭りもタイムや順位だけ見れば、下位の方である。しかしふなっしーと挑むレースでは、彼の身体能力や芸人としての巧みな話術だけでなく、宮川大輔という人間の内面が評価されている。彼の懐の深さや忍耐力、そして優しさがふなっしーを通して、視聴者に伝わってくるのだ。また秋頃に、3度目の共演があることを期待したい。
（TechinsightJapan編集部　みやび）