北野武監督17作目となる新作『龍三と七人(しちにん)の子分たち』の舞台挨拶付特別試写会が行われ、北野監督を筆頭に豪華すぎるキャスト総勢11名が登壇した。平均年齢72歳を超える豪華ジジイ軍団がシルバーオーラ全開に好き勝手な発言で爆笑の渦を巻き起こした。
雨の14日、東京・イイノホールは熱気に満ち溢れていた。舞台に登壇したのは、北野武監督、北野監督作に初出演となる藤竜也、藤竜也の“子分”を演じた主役級のベテラン7人、近藤正臣、中尾彬、小野寺昭、品川徹、樋浦勉、伊藤幸純、吉澤健、異色の安田顕、紅一点に萬田久子である。
藤竜也から「笑いのスイッチを入れてご覧下さい」と渋く短い挨拶から始まると、近藤正臣は「龍三親分ちょっと言葉少ないね」と突っ込み、「(試写を)観る前に私たちに会っちゃったのは不幸せです。観てから会えばもっと面白かったのにね」と観客を笑わせる。「さっき10か月ぶりにみなさんにお会いしたのですが、養老院に帰ってきたみたいで(笑)。本読みをやった時しか北野監督は指導してくれなかった。映画の話はなく、監督は照れ屋だから私たちの芝居観てるだけ。早く仕事が終わって困った」と語る中尾彬に、隣の近藤から「困ってない。嬉しかった。いいじゃない寝てれば、年寄りなんだから、ジジイだろ」とあの中尾を黙らせるところは映画のワンシーンのようである。「丸くなって話したのは大概年金や病気の話、誰が死んだとかばっかり。楽しかった」と振り返る中尾に、北野監督も笑みがこぼれる。
ジジイの中では一番若い小野寺昭が挨拶をしていると「若ぶるなよ」と揶揄が。「ジジイが集まると人の話を遮るし。そういう人たちが集まっていいチームワークで、すごい楽しい映画ができた」と撮影現場を垣間見るような挨拶に、観客も笑いがとまらない。品川、伊藤、吉澤、安田、萬田もそれぞれ個性際立つ挨拶に、会場から笑いが消えることはなかった。
北野武監督から「まあ色々あった。用意スタートの声が聞こえなかったり、カンペ書いたら小さくて読めないと言われ、段々大きくなり目が動いてバレバレになったり、衣装を着てそのまま帰った人もいたり…」と撮影秘話が披露されると爆笑の渦が起こった。「自分の映画は暴力映画が多いけれど、たまにはお笑いの映画もと思って撮った」と明かした本作は、北野監督の原点でもある“お笑い”がふんだんに取り入れられた映画である。笑いすぎてお腹が痛くなるのを覚悟して観て欲しい。
元ヤクザのジジイがオレオレ詐欺に騙された!? 詐欺集団のガキどもよ! ジジイのパワーを思い知れ! 金無し、先無し、怖いもの無し! 俺たちに明日はなんかいらない!! 北野武が贈る、世代を超えて楽しめるジジイ大暴れエンタテインメント!
映画『龍三と七人(しちにん)の子分たち』は、4月25日(土)全国ロードショー。
(TechinsightJapan編集部 うめ智子)