映画『シンデレラ』にて王子役を声で見事に演じた俳優・城田優。背が高く、優しく気品に溢れ、真っ直ぐな瞳を持ち情熱的で何より格好いい。そんな世の女性がイメージする王子様要素をすべて持ち合わせた城田優をテックインサイト編集部が直撃した。
<自分なりのアレンジはしない。リチャード・マッデンの王子像に寄り添った。>
――王子に成りきりって演じられたとのことですが、どんな点にこだわりましたか?
■城田:リチャード・マッデンという俳優が作り上げた王子様像があるので、僕がアレンジしたり自分の個性を最大限活かすというよりは彼が作った王子様像を大事にしようと考えました。彼に寄り添い、彼が敷いたレールの上を一緒にトロッコに乗るという方向でしたね。
<王子の通った道は自身の生きてきた道と重なる。成長とともに強い意思をもてた。>
――王子・キットと城田さんご自身が重なるところはありますか?
■城田:彼が成長していく様、父の願いに背く姿、王となってからの意思の固さ、凛とした姿勢は、僕自身の人生に重ね合わせて見てしまいました。僕は王室の王子でもなく、特別扱いされてきた人間ではないけれど、芸能界に入った頃は自分の意思ではなく周りの意思に従わなければならなかった。俳優はこうだよ、こうするんだよと言うことに従って生きていく中で、段々自分の個性が芽生え、経験を通して、最終的に“僕はこうあるべきだからこうしたいんだ!”という固い意志となりましたね。
<海外で素敵な女性に偶然出会ったらコロッと恋に落ちる。>
――森で偶然出会った王子とエラは惹かれあい、「優しさと勇気」が奇跡を起こす本作ですが、城田さんご自身はどんな出会いやシチュエーションに憧れますか?
■城田:職場や学校、お仕事の相手ではなく、海外でバーに行って隣で飲んでいた人! とか、飛行機で偶然隣合わせになって、なんかこぼしちゃってとか、そういう偶然の出会いに憧れますね(笑)。海外にいる時って解放感があるし、自分の好きな国に行っている時ってワクワクが止まらない。アドレナリン、ドーパミンが出て幸せな時に目の前にヒュッと素敵な女性が現れたらコロッと恋に落ちてしまう気がします(笑)。
<海外での恋愛は未経験。>
――今までもそんな偶然の出会いはありましたか?
■城田:偶然の出会いはありますが、奇跡には今のところはなっていないですね(笑)。
<プロポーズは大事! 五感で思い出せる幸せシチュエーションに憧れる。>
――シンデレラの物語の中でのプロポーズシーンに憧れる女性は多いと思うのですが、城田さんがイメージするプロポーズはありますか?
■城田:願わくば一生に一度で終わりたいプロポーズですから、大事だと思います。プロポーズは結婚をしたいと伝える時だから、一生思い出した時に幸せを感じられるシチュエーションがいいなと思うんです。たとえそこがとっても寒い所だったとしても、抱きしめている温もりを思い出したり、逆に真夏の日でも素敵な景色が見えるところでしてみたい。要は、五感で思い出せるような、食感だったり味覚だったり、嗅覚だったり第六感でもいいのですが、そんな感覚で思い出せるプロポーズは理想ですよね。
<シンデレラを想う王子となり“最終的には愛を選ぶ”意思の強さと優しさを持って歌った。>
――日本唯一のエンドソング「夢はひそかに(Duet version)」では城田さんの甘く切ない歌声と高畑充希さんの透き通る声のハーモニーが聴く者全てを感動で心を震わせ、夢の世界へ誘ってくれます。どの場面を思い出しながら歌われたのですか?
■城田:僕の場合は何か場面を思い出してというよりは、シンデレラを想う王子の気持ちとして歌いました。シンデレラという人に出会いたい、という感情や、彼女が持っていた勇気や優しさを“僕も持ちたいな”という思いを想像しながら。王子としての葛藤や“最終的には愛を選ぶんだ”という気持ちをちゃんと持って優しく歌うようにしました。
<練習はほとんどなし。その時の感情と感覚を意識した。>
――練習はどれくらいされたのですか?
■城田:練習はそんなにしていないです。一緒に二人で合わせる時間もあまりなかったので、レコーディングブースで何回か歌って、じゃあ録りましょうという感じでしたね。家で歌詞を覚えるために練習は多少しましたが、やればいいってもんじゃないんですよね。感情が動くものは作りこまれたものではなく、感覚的に出てくるものだと思うのです。お芝居にしても今からこのセリフを言おうと考えながら芝居をするのと、何にも気にせずこの人にちゃんと伝えようと思いながら芝居するのでは、違うと思います。歌もそれと同じで、感情を出して彼女と合わせた時のハーモニーに意識をもっていきました。
<ストレートプレイとスカイダイビングに挑戦したい!>
――今回は王子様の声での出演でした。今までに舞台、ミュージカル、ドラマ、映画と数多くの役をこなされてきましたが、今後新たな引き出しを増やすとしたらどんなことに挑戦していきたいですか?
■城田:ドラマも沢山やらせてもらい、映画『明烏(アケガラス)』も来月公開しますし、ミュージカル『エリザベート(トート役)』も6月から始まります。ただ、ストレートプレイ(「歌唱」を含まない、ミュージカル以外の演劇)ってあまりやっていないので仕事ではストレートプレイが挑戦になるのかなと思います。
プライベートでは、この間シンガポールにロケで行った時“スカイダイビング”の疑似体験をしました。本物の“スカイダイビング”を一生に一度はしてみたいという思いがあって、本当にこれくらいの所を浮いただけなのですが、実感して余計にやりたくなりました。それが最近の目標、チャレンジしたいことですね。
190cmもの高身長に加え、スペイン人の母と日本人の父をもつ彼は日本人離れした容姿端麗さを持つ。話を聞きながらその真っ直ぐな瞳に吸い込まれる感覚に何度も陥った。
城田が演じる王子は、スクリーンでどんな風にシンデレラを愛するのだろうか? そしてシンデレラと王子がデュエットするエンドソングも必聴。
映画『シンデレラ』は、4月25日(土)全国ロードショー。
(TechinsightJapan編集部 うめ智子)