観客を魅了してやまない劇団☆新感線の舞台が、映画となってスクリーンに登場する。4日、ゲキ×シネの原点である『阿修羅城の瞳2003』公開を前に舞台挨拶が行われ、歌舞伎役者・市川染五郎と女優・天海祐希が登壇し、中井美穂の司会のもと笑いが絶えないトークが繰り広げられた。

「こんにちは、天海祐希です。ワーイ。若かったねー。若いのを観られるのは恥ずかしい」と冒頭から笑いを誘った天海は、一瞬にして観客の心をつかむ。続いて市川染五郎も「若いです！　観た時に思った、僕たちすごいな。ひたすら自画自賛。観終わった後の感想は、とにかく僕たちはすごいんです！」と自信たっぷりの挨拶に会場からは笑いが起きた。

2003年から12年経った本作の上映。市川は「劇団☆新感線から声がかかる役者になりたかった」と振り返る。「ひたすらきつい、しんどい稽古。あんな稽古は初めて」と、橋本じゅん（劇団☆新感線所属）からツッコミが弱いと新宿村の公演に連れ出されて熱い指導を受けたことを告白。「橋本には気を付けろ！」と後からみんなに言われたことを笑いながら語る。

『阿修羅城の瞳2003』が劇団☆新感線の初舞台だった天海は、「2000年の時の（阿修羅）は（自分が出ることができなかったのが）悔しくて観ることができなかった」「2003年で出演できると分かり拝見した」と当時の悔しい思いを語った。また「私はやっちゃん（富田靖子）とは違うな。やっちゃんの素敵なところを吸収して、私なりの“つばき”が出来たらいいな」と思って演じたことを明かした。

天海より先に富田とも共演した市川は、天海との再演での感想を「大きいな」「ねーさん、ねーさん、大きいな」と背の高い天海に圧倒された様子を語る。隣にいた天海から「そこかい！」と突っ込まれる場面は姉弟のようだ。花道を走る市川の姿に「染ちゃんは体力が違う。立ち回りの美しいこと。花道を疾走する姿は色っぽい」と絶賛する天海。映画を観終わった時、「まあ本当にあなた綺麗ね！　色っぽいわね！」と（小森の）おばちゃまみたいになったと何度も語る天海には笑いが、「12年経っても若いです。やれと言われれば生でやります！」と最後に力強く語った市川の意気込みには大きな声援と惜しみない拍手が送られた。

2003年、劇団☆新感線が市川染五郎とタッグを組み、東京は新橋演舞場、大阪は大阪松竹座にて上演し観客を興奮の渦に巻き込んだ『阿修羅城の瞳2003』。壮絶な過去を持つ〈出門〉役の市川染五郎は飄々としながらもぞくぞくするほどの男の色気をあわせもち、鬼気迫る瞬速の立ち回りで観客を圧倒。その〈出門〉に近づく謎の女〈つばき〉と鬼の王〈阿修羅〉を見事に演じ分けた天海祐希も得も言われぬ美しさで観客を魅了。12年経っても色褪せない歌舞伎のような様式美とエンターテイメントの真髄が掛け合わさった唯一無二の作品である。

ゲキ×シネ『阿修羅城の瞳2003』は、4月11日（土）新宿バルト9ほか全国ロードショー。
（TechinsightJapan編集部　うめ智子）