テレビスペシャル編『ドラゴンボールZ 絶望への反抗!!』をファンが実写化した動画が公開されて反響を呼んでいる。2月24日に公開され、視聴回数640万回を超える勢いで見られており、世界各国から外国語で「驚きで言葉も無い!」といったコメントが殺到する状況だ。
ドラゴンボールファンによるチーム“Robot Underdog”が2015年2月24日にYouTubeの専用チャンネルで公開した『Dragon Ball Z: Light of Hope – Pilot』が世界中で評判となっている。人気アニメ『ドラゴンボール』でおなじみ孫悟空の息子・孫悟飯とベジータの息子・トランクスが、極悪非道となった人造人間17号、18号と死闘を繰り広げるストーリーを実写で撮った作品である。
出演者は外国人で会話も英語だが、日本語字幕が出る。「O M G. PLEASE HOLLYWOOD PICK THIS UP!! YOU GUYS ARE MARVELOUS!」、「Why couldn’t Dragonball Evolution be this!?」といった英語をはじめ外国語でコメントが届いている。多くは称賛しているが、熱いファンから様々な批評も見受けられた。
本作は1993年2月24日にフジテレビ系で放送されたテレビスペシャルアニメ『ドラゴンボールZ 絶望への反抗!!残された超戦士・悟飯とトランクス』をモチーフにしている。男性型の人造人間17号と女性型の人造人間18号は極悪非道で、人々を集めて殺人ゲームを楽しむ残虐シーンが出てくる。苦手な方は注意が必要だ。
注目すべきはやはり格闘シーンの動きや破壊する時の描写だろう。しかし、実写化すると迫力がある一方で、痛々しく感じられるのは否めない。実写映画『DRAGONBALL EVOLUTION』でプロデューサーを務めたチャウ・シンチー氏が監督した最新作『西遊記』を鳥山明氏が絶賛したのは、アニメ『ドラゴンボール』にも通じる娯楽性があったからではないか。
少しケースは違うが、1980年代にきうちかずひろ氏の漫画『ビー・バップ・ハイスクール』を実写映画化して人気となったことがある。漫画のキャラクターを忠実に再現しており、格闘シーンもそれなりにコミカルで家族で楽しめたのが良かったようだ。しかし、後に原作者のきうちかずひろ氏が自ら監督を務めて撮った『BE-BOP-HIGHSCHOOL』とそれに続くVシネマシリーズは、シリアスに描かれて格闘シーンも鬼気迫るものがあり、『ビー・バップ・ハイスクール』とは違う大人向けの作品となる。
記者はこの『Dragon Ball Z: Light of Hope – Pilot』を見て表現力に感動しながらも、その『ビー・バップ・ハイスクール』の件を思い出した。やはりアニメでしか表現できないものがあり、実写版はそれとは別の作品として楽しむべきなのだろう。
なお、“Robot Underdog”は作品をシリーズ化するためにファンの寄付(donate)を呼びかけている。詳細はRobot Underdog専用チャンネルにて(https://www.youtube.com/user/RobotUnderdog2)。
※画像はYouTubeのサムネイル。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)