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writer : miyabi

【エンタがビタミン♪】脳科学者の茂木健一郎氏、「全ての大学がAO入試になるべき」と持論。

東京都教育委員会公表の平成24年度公立学校卒業者を対象に実施した進路状況調査によると、中学受験率の最も高い区では受験を要する中学への進学者が55.5パーセントを占めているという。このように近年首都圏を中心に起こっている中学受験の過熱ぶりに対して、脳科学者の茂木健一郎氏があるテレビ番組で疑問を呈した。

先月末ネットニュースで取り上げられた、塾関係者らによる中学入試会場での過剰な応援問題。進学塾のOBや来年受験予定の通塾生まで集めて、のぼりや鉢巻き姿で大声をあげる行為に他の受験生や保護者から苦情があり、兵庫県内の学校側が対策に乗り出しているという。

2月8日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)内でこの問題を取り上げると、茂木健一郎氏は中学受験には賛成しかねるという姿勢を見せた。

茂木氏は中学受験をする小学生を教えていた経験があり、彼らは小学4年生ぐらいから各中学の偏差値が頭に叩き込まれていることに非常に驚いたと話す。仲間がどこの学校を受験して、そこの偏差値はどのくらいなのかに対して敏感に反応していたという。なかには試験に落ちて公立中学に通う子もいるため、12歳ぐらいでもの凄い心の傷を負わせることに懸念を示した。

そして大学に関しても、「全ての入試がAO入試になるべきだと思っている」と発言(AO入試とはアドミッションズ・オフィス入試の略。学力では測れない個性豊かな人材を求めることを目的として、最も多い選考方法は出身校の推薦を必要とせず、「書類審査+面接」で選考。出願・選考方法は大学によって異なる)。茂木氏は日本だとAO入試は評判が悪いが、世界大学ランキング1位のハーバード大学(アメリカ)もAO入試を実施していることを例に挙げた。「バスケットボールで入っている人もいるんですよ」と、単純な学力だけで合格者を決めているわけではないことを力説していた。

茂木氏が大学入試について持論を述べたきっかけは、タレントの武井壮が受験科目に「倫理」を加えるべきだと主張したのを受けてのことである。武井は難関大学も勉強だけでなく、“人間性”を見た上で合格者を決めて欲しい―と述べた。ただペーパー試験で受験生の倫理観を探るのは、非常に難しいであろう。どんな答えであれば高い倫理観の持ち主と判断されるのかを察知し、自分を偽ることは大学を受験する年頃であれば可能だからだ。倫理観や人間性を重視した大学入試は理想ではあるが、どの選抜方法がベストなのかはまだ答えが出ていないようだ。
(TechinsightJapan編集部 みやび)