自分が子どもの頃に習い事で嫌な経験があると、我が子にはそんな思いをさせまいとする親が多いらしい。お笑い芸人の設楽統(バナナマン)も習い事には苦い思い出があり、愛娘にはぜひ自分の好きなことをやらせてあげたいという。だが現実は、なかなか親の思い通りにはいかないものだ。
習い事を選ぶにあたって、“子どもがやりたい”ことにとりあえずチャレンジさせてみようとする母親は少なくない。色々試してみて自分に合う、好きな習い事が見つかれば幸い―と、もし途中で嫌になっても無理には続けさせないという考え方だ。2月6日放送の『ノンストップ!』(フジテレビ系)にゲスト出演していた2児の母であるタレントの坂下千里子も、ピアノを親に無理に続けさせられて大変苦痛だった思い出があった。自分の経験から嫌々させても良い結果には繋がらないので、本人がやめたいなら無理には続けさせないと話す。
すると同番組のMC・設楽統が、今年中学生になる娘の習い事について話し始めた。彼の娘が友達の影響で、「バイオリンを習いたい」と言い出したことがあったそうだ。しかし子ども用といえどもバイオリンはかなり高価なものであり、設楽は買い与えることを悩んだという。通う教室で練習用のバイオリンを貸し出してくれたので、それでしばらく様子を見ることにした。そして教室にも通うことに慣れた頃、娘専用のバイオリンを購入したが、その途端に“やめたい”と言い始めてしまう。設楽と妻は“まだあの子はバイオリンの楽しさを知らないのかもしれない”と思い、「発表会に出るまで頑張ってみたら?」と娘を説得した。何とか次の発表会には出たが、娘の決心は変わらずバイオリンをやめることを認めたそうである。
習い事は上達することも大事だが、続けることにも意味がある―とする意見もある。その点で言えば設楽は一人娘に甘い父親であるかもしれないが、彼には自分の習い事で忘れられない思い出があった。設楽は子どもの頃に柔道がやりたくて、一生懸命に親に習わせてくれるように頼んでいた。しかし近隣で柔道を教えている所は無く、なぜか親に家から通いやすい剣道を習わされたというのだから、気の毒である。「それが嫌で嫌で」とこぼす設楽は、自分の経験から愛娘には嫌だというものを、無理に続けさせることはできなかったのだ。
経営する芸能スクールで子役を受け入れている俳優の坂上忍は、「やるきっかけは何でも良いけど、習い事はやってからの方が大事じゃないの?」と指摘する。習い事は辛いことがあったり、やめたいと思った時に我慢を覚え心を強くすることが大事であり、教える側としては簡単にやめさせることに反対していた。
少子化のためか我が子に幼稚園の頃から、掛け持ちで習い事をさせている母親も少なくない。たとえ将来に結びつかなくても、子どもにとってかけがえのない、豊かな経験となって欲しいものである。
(TechinsightJapan編集部 みやび)