映画『風立ちぬ』が日本テレビ系列『金曜ロードSHOW！』で放送された。ヒロイン・菜穂子の声を務めた瀧本美織は公開時を振り返ってブログでコメントしている。今回の放送で初めて本作と出会った視聴者も少なからずいたようだ。ツイッターでは「風立ちぬすごかったな。菜穂子ちゃんの死に対する開き直りぶり」などの感想がつぶやかれており、彼女の演技は色褪せることなく視聴者に伝わっていた。

2013年の夏に公開された宮崎駿監督によるアニメ映画『風立ちぬ』がおよそ1年半の時を経て2015年2月20日に『金曜ロードSHOW！』で放送された。当時話題となった関東大震災のシーンや随所に描かれた喫煙シーンには、ツイッターで「地震のシーン激しすぎて地獄の淵から暗黒大魔王が復活したのかと思った」とつぶやかれたり、ネットニュースで“煙草を吸うシーンが多い理由”について改めて説明されるなどの反響が起きている。

「風立ちぬ良い話だった。映画館で観たかったな」と感動した視聴者も多いが、「もののけ姫とか、ラピュタとか…いいよねって純粋に言えるんだけど。風立ちぬを簡単に素晴らしい作品って納得するのにすごく抵抗がある」、「ごめん。風立ちぬ余り面白くなかった」、「風立ちぬエロ…トトロと比べるとね？」など反応は様々だ。

そんな中で「菜穂子がタイプすぎて死んだのが悲しすぎる」、「自分が嫁さんもらうビジョンが全く見えないから、風立ちぬ5倍増しで泣けた」などヒロイン・菜穂子に絡む感想が目を引く。「風立ちぬ見ると家族大切にしようって気持ちになる」、「風立ちぬよかった。泣きそうになった。ギリ泣かなかったけど」という感想もある。庵野秀明が声を務めた主人公の堀越二郎と瀧本美織の声による里見菜穂子の出会いや、病で死を覚悟する菜穂子の生き様に胸を打たれたのだろう。

菜穂子役の瀧本美織は映画『風立ちぬ』の地上波初登場に向けて、放送前に『瀧本美織オフィシャルブログ「Miori Takimoto」』で「the wind rises」と題してコメントしている。「時間が経った今でも、色褪せない大切な作品です」「大切な方と観てほしいです。ぜひご覧ください！」という彼女の言葉に読者も「もちろん、観てます」と応え、「既に何度か観ましたが観るたびに違った感じ方をする作品だと思います」、「美織ちゃんと、庵野さんの声がなんとも言えないくらい心に残ります」などの感想が届いている。

ガンダムシリーズなどのアニメーション作品を手がけた富野由悠季監督が、2013年の映画『風立ちぬ』公開後にインタビューを受けている。その中で富野監督は、宮崎駿監督が本作で「堀越二郎はエンジニアとして空を美しく飛ぶ飛行機を作る夢を持つが、軍事に関わることでしかそれを実現できなかった。ゼロ戦の功罪、そして技術者の功罪を描こうとした」との主旨を述べていた。そうした観点から考えても、映画『風立ちぬ』は後々もエンジニア界に注目される色褪せない作品と言えそうだ。
（TechinsightJapan編集部　真紀和泉）