2010年7月の参議院議員選挙に落選してから、たった4年間で資産1億円を築いたというタレントの杉村太蔵(35)。証券会社勤務経験を生かし株式投資で利益を上げたことが大きいのだが、その原資に充てられた多くは彼がバラエティ番組で稼いだギャラであろう。元政治家という肩書きだけを武器に、なぜ杉村は売れっ子タレントと呼ばれるまでになったのだろうか。
水曜コメンテーター・中村うさぎの降板表明騒動で揺れる『5時に夢中!』(TOKYO MX)2月4日放送分に、彼女のピンチヒッターとして杉村太蔵が登場した。同番組のディレクターから、“とにかく元気よく、ムードを明るくしてくれ!”と頼まれたという。それを受けて杉村は番組冒頭から、「ちょっとゴタゴタしているみたいですけど、全然気にしませんから」と挨拶し、俺に任せてくれ―と言わんばかりの張り切りようであった。
“夕刊ベスト8”のコーナーで、昨年ゴーストライター騒動で一躍時の人となったピアニストで作曲家の新垣隆氏を取り扱った記事を紹介。記事では新垣氏が、「命令されて伸びるタイプ」と見ている。テレビ業界人が彼は頼めば断れないタイプだと察知し、バラエティ番組に呼んでは無茶なお願いをしたらしい。受け身の新垣氏は何にでもチャレンジし、その真面目な人柄が視聴者に伝わり、本業の方にもプラスになったようである。
「バラエティで成功する秘訣があるんですよ」と、新垣氏と自分の共通点を主張する杉村。彼は今まで一度も演出にNGを出したことは無く、“プロデューサーやディレクターの言うことを完全に聞くこと”が一番大事なのだと話す。視聴者の感想はどうでも良いことで、ただひたすら言われた通り忠実に従うことで、杉村はバラエティ番組への出演を増やしてきたのだ。それでも中には気が進まない仕事もあったが、ギャラを上乗せしてもらうことでやる気を出し、引き受けてきたそうである。
新垣氏はある雑誌のインタビューで、「音楽活動だけではなく皆様の望まれることをやるということも、自分のやってしまったことに対する責任の取り方のひとつ」だと答えている。杉村からすれば彼と志は違っても、バラエティ番組の仕事が増えた方法は新垣氏と同じだと言いたいのだろうか。杉村をフォローしようとしたのか、MCのふかわりょうが「たまには魂を売ることも必要ですからね」と話すと、本人は「しょっちゅうです。私そんな、大した魂は無いですから」とキッパリ。ここまでくれば、“杉村太蔵あっぱれ”である。
(TechinsightJapan編集部 みやび)