最近、中高年のひきこもり急増について様々なメディアが取り上げている。芸能界の一線で活躍する女装家タレントのマツコ・デラックスやお笑い芸人の松本人志(ダウンタウン)は、同世代がひきこもりとなる現状をどう捉えているのだろうか。
“ひきこもりの約45%が40歳以上の中高年”、“現在40歳以上のひきこもりは推定100万人以上”。12月15日放送の『5時に夢中!』(TOKYO MX)の“夕刊ベスト8”のコーナーでこれらの記事が紹介された。コメントを求められたマツコ・デラックスは、「国は若者のひきこもりだけでなく、中高年に対しても対策をとらないと、いつか割合が逆転すると思う」と複雑な表情を見せた。若者と中高年のひきこもりを一緒くたに考えることも危惧しているようだ。
とはいえマツコも、人生の先が長い若者には色々なアプローチの仕方が考えられるが、これから60~70代を迎える人たちにどのような手立てがあるのかは分からないと話す。
また、12月14日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)でもこの問題を取り上げていた。ゲストの社会学者・古市憲寿氏は、中高年のひきこもりは仕事や人間関係でつまずいた中年男性に多いと説明する。ただ古市氏は、「ひきこもっても生活できるのは、まだ日本が豊かな証拠でもある」と主張。仕事をしなくても住み続けられる部屋が提供され、食事や身の回りの世話をし、金銭の援助をしてくれる親の存在があるからこそ、というわけだ。
2年前の朝のNHKニュース番組で秋田県に住む50代のひきこもり男性が取材された中で、高齢の両親が次々と介護施設や病院に入る事態となり、お金の心配よりも日常生活が困難になっている様子が映し出されていた。食材を買いに行ったことも無く、洗濯も料理もできない男性。生きることすら難しい状況に追い込まれていたのだ。
一方で、もし身内にひきこもりがいたら「1回、家から叩き出すしかない」とのスパルタ意見をもつのは、『ワイドナショー』のレギュラーである松本人志やゲストの泉谷しげるだ。彼らの言い分を聞き相談には乗るが、一定の猶予を設けた後は一切援助はしないというのが2人の解決方法だ。ただし中高年のひきこもりの場合、その親ともなれば相当高齢であるため、叩き出す方も出される方も年をとり過ぎている。マツコの言うように、中高年のひきこもりに手を差し伸べるのは若者以上に難しいのかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 みやび)