映画『エクソダス:神と王』のリドリー・スコット監督が、ロンドンワールドプレミアにて高倉健さんとの思い出を語った。監督は1989年の作品『ブラック・レイン』で高倉健さんを主役に起用しており、当時より礼節を重んじ気配りを大切にしていた高倉さんに敬意を表している。11月10日に亡くなった高倉健さんについて、ハリウッドの映画人が公式に発言するのは初めてのことだ。
紀元前1300年前に人類が初めて経験したエピック・アドベンチャー。旧約聖書の「出エジプト記」に綴られたモーゼの英雄譚を、『グラディエーター』でアカデミー賞作品賞を受賞した巨匠リドリー・スコット監督が完全映画化した。映画『エクソダス:神と王』の公開を記念し、現地時間3日にロンドン中心街のレスター・スクエアにてワールドプレミアが華やかに開催された。リドリー・スコット監督や主演のクリスチャン・ベール、共演のジョエル・エドガートン、名優ベン・キングズレー、モーゼの妻を演じるマリア・バルベルデらが登場すると会場の熱気は一段とヒートアップ。続いて行われたプレミアでは2時間30分の超大作に観客は酔いしれた。
本プレミアと併せて行われたインタビューで、リドリー・スコット監督は『ブラック・レイン』での高倉健さんの思い出を次のように語っている。
「彼はいつも協力的で、周りに気を配る人だった。ある時、僕はひどい風邪をひきながらタバコをたくさん吸い続けていた時期があった。彼はそんな僕に毎朝『タバコはやめた方がいい』と助言してくれた。風邪がもう6週間も続いていると知ると、『私がそれを治してみせる』と言って翌日には漢方薬を持ってきてくれたりした。その薬を飲んだ2日後には、すっきり治ってしまったのをよく覚えている。」
「その後も、何かとてもにおいのきつい魚、おそらくイワシだったと思うけど、そこから抽出したペレットが入った小さな箱を持ってきては、『これを飲めば風邪をひきにくくなる』と勧めてくれた。そういう気遣いをいつもしてくれる、とても素晴らしい人だった。」
リドリー・スコット監督は現在77歳。高倉健さんは83歳で亡くなったが、自分よりも若い監督の健康を親身に気遣う人柄が偲ばれる。
また、監督は高倉さんと「お互いにクリスマスカードを送ったり、毎年連絡を取りあう仲だった」と明かし、「『ブラック・レイン』の撮影の終わりに、彼から貰った編み細工の美しい籠は今でも大事にとってあるよ。それを見るたびに“ケン・タカクラ”を思い出すんだ」という。
『ブラック・レイン』の撮影を振り返り、「彼はとても優しくて寛大な人だった。右も左もわからなかった(東京、いや)大阪に滞在していた僕たちに、いつも親切に気持ちよく接してくれたことは今でも忘れられない。懐が深い人で、俳優としてもとても素晴らしい人だった」とコメントしている。
映画『エクソダス:神と王』のモーゼ役で主演するクリスチャン・ベールは、レッド・カーペットで「この映画は、神の声を聴いた男と、自らを神だと信じた男がぶつかり合うダイナミックな物語になった。リドリー(・スコット)は本物の個性派監督で、本当に一切妥協がない。彼は最高の監督だ。しかもこの映画をわずか74日で撮影した」と語った。そのリドリー・スコット監督が信頼した高倉健さんの偉大さを改めて感じる。
『エクソダス:神と王』2015年1月30日(金)TOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/exodus/
facebook:https://www.facebook.com/ExodusMovieJP
twitter:https://twitter.com/ExodusMovieJP
配給:20世紀フォックス映画
(C)2014 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved.
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)