フジテレビによる音楽の祭典『2014 FNS歌謡祭』が12月3日に生放送された。同歌謡祭の見どころでもあるアーティスト同士のコラボ企画や、ジャニーズのスペシャルメドレーなど豪華な内容となった。しかし、ツイッターでは「口パクが多かったようだ」との感想が目立ち、お笑い芸人の東野幸治も「生歌が良かったのに」と本音をつぶやいている。さらには、出演したロックバンド・GLAYのTERUもその件についてと思われるコメントを残しており、視聴者ばかりではなく業界人にも“口パク”が気になる音楽の祭典となった。
今年のフジテレビ『FNS歌謡祭』は12月3日の19時から4時間40分超かけて放送され、アーティスト87組が105曲をパフォーマンスした。近藤真彦35周年スペシャルメドレーをマッチとジャニーズの後輩70人以上がコラボする前代未聞の企画や、Mr.Childrenが未発表の新曲『斜陽』を披露するなど見どころも多かったが、ツイッターで話題になっているのが「口パクが増えた」という点だ。
東野幸治は視聴しながら『Higashinodesu(Higashinodesu) ツイッター』で「あれ? 毎年の楽しみのFNS歌謡祭が口パクになっている」と指摘しており、「ちょっとショックです。生歌が良かったのに」とがっかりしたようだ。ただ、口パクと思われるパフォーマンスは一部であり、東野も「キムタクさんがテンション上がりまくって、“フルッハ!”と唸って歌い始めた」というようにSMAPはいつもどおり生歌だった。
今回、『HOWEVER』と『百花繚乱』をパフォーマンスしたGLAYのボーカル・TERUは『TERU(TE_RUR_ET) ツイッター』で「ふ~~っ! 良いパフォーマンスが出来たと思います! では、さいたまスーパーアリーナーでお会いしましょう!」と達成感に浸った後で、「ちょっとがっかり…」、「ボーカリストが見ると分かるんです」とつぶやいている。これについて、「TERUさんが暗に口パク指摘してる模様…」という読者も少なくない。
『FNS歌謡祭』の視聴者からは、「今回のFNSイマイチだったな。コラボもセンスなかったし。口パクも多かった」、「今回は生演奏が少なすぎるし口パクが多すぎる。生演奏生歌にこだわっていた音組の良さを見習った方がいい」などの意見が多数つぶやかれている。「FNSは口パクなしとはなんだったのか」や「お偉いさんが口パク嫌いじゃけ口パクなしとか聞いたことあったけど嘘?」との声もあった。
フジテレビで音楽番組に関わる“きくちP”こと、きくち伸プロデューサーが、2013年2月に『MUSIC FAIR』や『僕らの音楽』、『新堂本兄弟』(現在は放送終了)は「“口パク”を受け入れない」とコメントした。その流れで『FNS歌謡祭』でも口パクによるパフォーマンスが減っていた。しかし、2014年の人事異動により、きくちPが7月以降は制作現場を離れ、音楽番組は他者に引き継がれた。今回の『FNS歌謡祭』で口パクが目立ったのはそれと無関係ではないはずだ。
それでも、アーティスト87組による105曲のうち、明らかに“口パク”だと分かるものは数曲だ。基本的にコラボした場合は生歌だと思われるが、アイドルを中心に自分の持ち歌を披露する際に口パクがあったようだ。口パクや楽器の当て振りは素人には見分けにくい。今回はミスチルが口パクだったか否かについてツイッターでも意見が分かれているが、ファンにとっては辛い現象ではないか。
同歌謡祭に限らず、音楽番組の『ミュージックステーション』などでも口パクや当て振りについての話題は尽きない。視聴者からは「口パクだとか当て振りだとかの噂が流れて、素直にパフォーマンスを楽しめない」との声も出ている。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)