東野幸治は品川祐(品川庄司)や西野亮廣(キングコング)のような、若い頃から生意気で発言が攻撃的、それが原因で芸人仲間や一般人からも疎ましく思われてしまう後輩が大好きなのだ。2人には“いつまでも尖った性格でいてほしい”と願っていたのだが、品川は自身の発言をツイッターで猛批判され意気消沈してしまい、すっかり丸くなってしまった。一方の西野は頻繁にツイッターが炎上しているが、世間が思うほど落ち込んでいない。またどんなに仕事で行き詰まっても、精神のバランスを崩すほど悩んだことは無いと話す。
11月2日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)では梶原雄太(キングコング)が2003年、ストレスによる病気で2か月間仕事を休んだことに話が及んだ。
コンビを組んだ翌年にNHK上方漫才コンテスト最優秀賞を受賞、翌々年にはレギュラー番組『はねるのトびら』がスタート。異例の早さで東京進出を果たしたキングコングは、周囲から過大な期待をかけられることとなる。歴史の浅いコンビの持ちネタは少なく、煮詰めきらないまま披露したネタが酷評を受けることも多々あった。そんなある朝ロケの集合場所に、何の連絡も無く姿を見せなかった梶原。西野亮廣によると急に所在がわからなくなり、3日間くらい生死さえも不明だったという。
「みんな、あるのかなぁ」と梶原の話を聞いていた松本人志(ダウンタウン)は、自分も20歳を過ぎた頃、頭に次々と円形脱毛症ができたことを思い出したようだ。この頃はNSC1期生のエースとして、ダウンタウンに注目が集まっていた時期。だが関西の若手漫才賞レースには次々と落選、ネタ作りをしていた松本は失意のどん底だったのだ。
またこの日同番組にゲスト出演していた作家の乙武洋匡氏は、500万部を突破した著書『五体不満足』を発表してから急激にメディアの露出が増え、自宅周辺に週刊誌の記者が何人も張り込んでいた時期があった。それがしばらく続いていたところ、乙武氏は吐き気が急に止まらなくなってしまったという。病院で診てもらっても原因は不明だった。「精神的なものだったと思う」と、乙武氏は当時を振り返る。
キングコングのネタを作っているのは西野である。だが仕事が上手くいかなくてもツイッターでどんなに叩かれても、精神が不安定になったり体調を崩すことはほとんど無いと語る。「なんで? 馬鹿なの?」と松本が不思議そうに西野を見つめるが、「確かに(精神的に)病むということは無いですね」と同じ内容を繰り返した。
「やりたい事しかやりたくない、面白くないから」という西野の思いを認めつつも、東野は彼に仕事に対しての柔軟性を求める。『はねるのトびら』が終了したからこそ、今まで気乗りがしなかった仕事にもどんどん挑戦して、新たな可能性を見つけて欲しいのだ。だが30代半ばで多様な才能に恵まれている西野には、心に届かない先輩からのアドバイスだったかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 みやび)