辛坊治郎氏が『たかじんのそこまで言って委員会』の司会復帰の舞台裏を明かした。そこには、故・やしきたかじんさんの“ある思い”が隠されていたのだ。
9月7日放送の『たかじんのそこまで言って委員会』に、辛坊治郎氏が1年3か月ぶりに“副委員長”復帰を果たした。番組タイトルが書かれた扉の前に姿を現した辛坊氏は、開口一番「どうも、恥ずかしながら戻って参りました。辛坊でございます」と言って一礼した。
そして辛坊氏は昨年に起きた自身の海難事故を述懐した上で、故・やしきたかじんさんが生前「この(海難)事故を経て(『委員会』に)戻ってきたら、辛坊はどんな司会をするだろうな」と口にしていたことがきっかけとなり、今回の番組復帰に至ったと説明する。
このことを指して「いわば『死せるたかじん 生ける辛坊を走らす』そういう図式でございます」と笑みを浮かべて語った辛坊氏は、「さぁ、参りましょう。『たかじんのそこまで言って委員会』スタートです!」と高らかに番組の開始を宣言して、出演者たちの待つセットに入った。
この日の放送は「辛坊治郎復帰SP」と題し、安倍晋三内閣総理大臣や櫻井よしこ氏らから“辛坊氏へのお祝いコメント”と“番組で議論してほしいテーマ”が寄せられた。海難事故の際、辛坊氏の命を救った海上自衛隊の「US-2」乗組員からも「辛坊さん、おかえりなさい。これからも頑張ってください!」とのメッセージが寄せられたが、辛坊氏がVTRを見ながら「恐縮です。すみません」と言って何度も頭を下げる姿は印象的であった。
このVTR後に、辛坊氏は昨年の事故について改めて振り返った。ヨットに穴が開いて、あと15分でヨットが沈むという状況は「極限だった」そうで、海上保安庁の人たちから「今から迎えに行きます。でもね、すごく遠いんです。今から行くと3日はかかりますから、頑張ってください」と激励の電話を受けた時に、辛坊氏は「『ありがとうございます』とは言ったものの、3日は(体力が)もたないんじゃないかと思った」と話す。しかし、遭難した場所が運よく海上自衛隊の「US-2」の活動範囲ギリギリだったため何とか助かったと辛坊氏は語り、改めて関係者への感謝の言葉を述べた。
番組の最後に、レギュラー出演者の津川雅彦が「辛坊ちゃんが出てきたら、たかじんさんを思い出した。(アナタは『委員会』の)とても貴重な“顔”なのよ」との感想を口にした。この言葉通り、留守の間を切り盛りしてきた山本浩之アナウンサーから辛坊氏へ“たかじんさんの遺志”はしっかりと引き継がれた。
(TechinsightJapan編集部 TORA)