とびきり元気で明るい川島なお美がそこにはいた。今年1月に受けた胆管がんの手術において一部報道で「5年生存率50%」との言葉だけがひとり歩きしたが、実際に会った川島はこちらが羨ましくなるほど肌も髪もツヤツヤ、いきいきとして健康そのものである。そんな美しく健康的な今の川島なお美に話を聞いた。
■初演から5年。今だから表現できる深い母性。
──今年もミュージカル『フットルース』の再々演が決まり稽古に励まれている毎日だと思いますが。
川島:『フットルース』は再々演とはいえ、夫役が変わったり若手主役の2人が成長しているので、とても新鮮で新しい作品のような感じです。毎日より良いものに進化させた『フットルース』を目指して頑張っています。
──そのなかで、一番ご自身が変わられた点は何でしょうか?
川島:牧師の妻として母として苦悩する役なのですが、5年前の初演の時って(プライベートでも)新婚ラブラブって感じで苦悩を経験したことがなく、想像でやるしかなかったんです(笑)。再演、再々演となるにつれ、(夫婦としての)苦労・苦悩がより深く表現できるようになりました。華やかなミュージカルなので、静の部分をなるべく抑えて。と同時に深い母性を表現することが今回の私の試みですね。抑えた中からにじみ出てくる愛の深さが、みなさんにどんな風に映るのかなと楽しみにしています。
■深まる夫婦の絆。盲目的なときめきから、深い理解の上でのさらなるときめきへ。
──今はご主人の鎧塚俊彦さんと新婚ラブラブというより絆が深まった感じですか。
川島:はい、そうですね。でも、ときめいてはいると思います。
──「ときめき」と「絆」は比例しますか? それとも反比例しますか?
川島:うちの場合は両方同時進行って感じかな。ラブラブの時のときめきとは全然違って、盲目的ではなく、いまは相手のことを良く理解した上でそれでもときめいています。
■予感していたかのように起こった人生の山。それを乗り越えた今。
──鎧塚さんも川島さんもご病気をされましたが、お互い健康になられて変わったものはありますか?
川島:そうですね。やはりお互いを思いやるという気持ちと、「パートナーはこの人がいい」という確信であり、確認ですね。「どんなことが起きても2人で手を合わせて乗り越えていこうね」って、これはすごく幸せな時期に言った言葉なのですが。予感していたかのように実際そういうことが起きたことで、2人でこれからも乗り越えていけるかなって。主人が「一緒に頑張ろう」って言ってくれるので心強いです。
──世の夫婦というのは悩みも多いのが常ですが、一緒に何かを越えられたらやはり強いですよね。
川島:そうですね。いつまでも(悩みは)続くのでしょうね。うちの場合も「山あり山あり」ですが、どんな険しい山も(2人で)楽しんで乗り越えていきたいなと思っています。
川島の言葉に思わず目頭が熱くなった。「怪我の功名」とはよく言ったもので、川島も鎧塚氏も辛い経験をしたからこそ、夫婦の絆、心の奥にある愛情がより深まったのであろう。簡単そうで実は難しい「互いを思いやること」。川島と鎧塚氏はその気持ちを溢れるほど持っていることがよく分かった。川島が健康で美しいのも鎧塚氏の深い愛情、思いやり、そして支えがあるからだろう。いつまでも艶やかで美しく健康に輝き続ける川島なお美でいて欲しい。
◆ブロードウェイミュージカル「フットルース」
http://www.suisei-m.com/review/footloose/index.html
◆ミュージカル「クリスマス・キャロル」
http://www.suisei-m.com/topics/topics.cgi#246
(TechinsightJapan編集部 うめ智子)