相変わらず社会の理解を得られずにいるとして、不満が募っていたロシアのLGBTの人々。だがこのほどモスクワでちょっと素敵な新婚カップルが誕生した。この2人、容姿があまりにも似ているのである。

多くの方は、この写真の2人に「美しい双子の姉妹が同じ日に揃って結婚式を挙げたのだろう」と考えることであろう。だがそれは不正解。正しくは「片方は法的には男性だが外見は女性。まるで美しい双子姉妹のようにも見える2人が恋に落ち、結婚した」というから複雑だ。

世界各地で男性同士、女性同士という「同性婚」が法的に認められるようになっているが、ロシアはその点ではいまだかなり保守的。モスクワやサンクトペテルブルグを中心にLGBT（レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー）の市民権の向上を目指す動きが激化し、警察当局と衝突する事件も多々繰り広げられているが、社会的にみてもそうしたセクシュアル・マイノリティは相変わらず冷ややかな視線を浴びていると言わざるを得ない。

そんな中でこのほどモスクワで結婚式を挙げたあるカップル。写真の向かって左側はAlison Brooksさん（19）。右側はAlina Davis （本名Dmitry Kozhukhov）さん（23）で、こちらは男性として生を受けるも実は両性具有であるとわかったとのこと。メディアの取材には「自分は女性として生きる方がシックリと来る。そして女性に惹かれてしまうことをいつしか意識するようになった」と話している。

新郎と新婦のファッションに法的なルールなどないとして、揃いのウェディングドレスを選び、息の合ったところを見せた2人。仲良く手をつないでモスクワ市の結婚登録所に向かったところ、やや悶着はあったもののAlinaさんが法的には「男」であることから婚姻届は受理されたそうだ。「出生届の性別により男女のカップルであることが証明できれば大丈夫。私たちのようなカップルはたくさんいる。どうかあとに続いてほしいわ！」と力強く語っている。

※　画像はgaystarnews.comのスクリーンショット。
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）