人気バラエティ番組が「ゆとり世代の学力をチェックする」という目的で、都内の偏差値40以下の高校生らを招いてクイズ大会を開催した。珍解答続出のVTRに最初スタジオ内は笑いに包まれていたが、徐々に冷めた空気が流れ始めた。簡単な問題に不正解でも何も気にせずはしゃいでいる高校生らに、スタジオがドン引きしてしまったのである。
2000年代から、2010年代初期まで実施されていた「ゆとり教育」。特に現在の高校生は、小中学校とどっぷり「ゆとり教育」を受けた世代だという。8月13日放送の『水曜日のダウンタウン』(TBS系)では、今後高校を卒業して社会に出てくるであろうゆとり世代の人たちを、よく知っておいた方が良い―ということで、都内の高校生を集めクイズ大会を行った。
番組では出場者を都内の偏差値40以下の高校に絞り込み、クイズ大会への参加者を集めた。全員が過去に全教科オール1の成績だったことがある渋谷系ギャル3人組。ごく普通の女子高生風で派手なところが全くないが勉強が苦手な女子3人組。そして男子3人組は渋谷を拠点に活動するイベントサークルのメンバーから選抜された。
最初は、“国境の長いトンネルを抜けると○○であった”川端康成の代表作『雪国』の、あまりにも有名な冒頭の一文からの出題。しかし“国境”の意味が分からないと言うので、「国と国の境のことです」と説明された後に、“岐阜!”との答えが出てくる。珍解答に、松本人志(ダウンタウン)の笑いが止まらない。
だが時間が経過し、「手にある5本の指の名前を、全て言いなさい」「1トンは、何キログラム?」等のクイズに高校生がてこずるあたりから、スタジオから笑い声が少なくなったようだ。答えられなくても無邪気に笑っている高校生に、VTRを見ていた出演者や観客がドン引きしていたからだという。VTR終了後ゲストの芥川賞受賞作家・西村賢太氏は、「僕は中卒なんでバカだと思っていたんですけど、“1トンは、何キログラム?”以外は全部分かりました」と苦笑いしていた。
「あまりのバカがキャッキャッ言っている姿は、あまり面白くないですね」。プレゼンター・高橋茂雄(サバンナ)の締めの言葉がバラエティ番組とはいえ、何か心に引っ掛かるものがある。番組放送後のツイッターには“ゆとり世代で一括りにするな”等の声が、多く向けられた。悔しさと怒りが滲むツイートなのだ。
(TechinsightJapan編集部 みやび)