地味なのに不気味なほどの存在感を放つずんの飯尾和樹。その場を和ませ、ぼそぼそとした一言と「間」で絶妙な雰囲気を醸し出す飯尾が、映画『宇宙兄弟#0』で声優デビューを果たした。褒め上手の監督にご満悦の飯尾。「来年まで光熱費が払える」と安堵した声優初仕事の出来栄えは?
24日、東京・新宿にて劇場アニメーション『宇宙兄弟#0』舞台挨拶イベントが開催された。「ぺっこり45度、五反田経由で来ました飯尾和樹です」と登場するやいなや会場を沸かせたお笑い芸人の ずん・飯尾和樹と渡辺歩監督がゲストとして登壇した。映画にちなみオレンジ色の宇宙服に身を包んだ飯尾だが、実際は田舎のおじいさん役なので役とは関係ない衣装に「私が着ると整備工みたいな感じ」と苦笑した。自前だと明かしたブルーのつなぎ、テンガロンハット、犬のぬいぐるみを抱えて現れた渡辺監督。お互いに「似合いますね」「カッコイイですね」と褒めあい「傷のなめあいですね」とコントのような掛け合いを見せた。
以前、宇宙兄弟がアニメ化される前の特集番組にて共演した縁で「いい方だなと思って最初から決めていた」と飯尾にオファーしたことを明かした渡辺監督。「口約束だと思っていた。ちゃんとご挨拶できて良かった」と飯尾らしい表現で喜びを表した。今回の映画のためにだけ出演する新キャラクター、堺海老夫(さかい・えびお)役として声優初挑戦をした飯尾は最初、自身が演じるのは宇宙飛行士役だと思っていたという。おじいさん役とわかり「背伸びをしなくて良かった。嬉しかったですよ」と語った。当初「宇宙で最初にギャグをかました伝説の宇宙飛行士」という構想も監督の中ではあったそうだが、スタッフから難色を示されボツになったという。
初めてとなるアフレコ挑戦には「やっているうちにおじいさんの声から飯尾さんの声に戻っている」と指摘され、「笑わせる仕事をしているつもりが、笑うのが難しかった」と演技の難しさを実感したことを明かした。渡辺監督からは「面白かった。第一声からおじいさんの声だった」と褒められると「お蔭様で光熱費が払えます。監督はいちいち、褒め上手!」と会場を沸かせた。
イベントの最後には、床に転がり「はあぁ~弟はさー宇宙飛行士になっちゃったし暇だな。あーこんな時は現実逃避だよ。平日の昼間からゴロゴロ~ゴロゴロ~、あーあ。原付免許とったついでに宇宙飛行士の資格ついてこねーかなあ」と飯尾の十八番“現実逃避シリーズ”が披露された。これには「(飯尾の)マネージャーからはあまり面白くないと聞いていたが、なかなか面白かった。最高でした」と渡辺監督も太鼓判を捺した。
日本中を夢と感動で包み込んだあの国民的コミックの、まだ描かれていない《本当の始まり。》「約束だ。俺らは二人で宇宙飛行士になるぞ。」幼い頃に誓った宇宙飛行士への夢―。 漫画でもテレビでも見ることができない、“さよなら”と“勇気”を描く宇宙兄弟第0話。監督も太鼓判を捺した、飯尾が務めた堺海老夫役にも注目だ。
劇場アニメーション『宇宙兄弟#0』は全国ロードショー中。
(TechinsightJapan編集部 うめ智子)