地域の実情に応じ公立の「小中一貫校」を設置できる制度を導入する方向で、文科省が検討を始めたことが報じられている。この件に関し、教育評論家の尾木直樹氏がブログで“何を考えているのか!?”と異議を唱えた。
国立や私立ではなく、地域の結びつきの強い小学校と中学校の義務教育9年間のカリキュラムを実情に応じて弾力的に運用していく公立の「小中一貫校」。文部科学省は「義務教育学校」(仮称)の創設を検討しているという。
この公立の「小中一貫校」に関して、ネット上には多くの意見があがっている。目立っている内容は“小学校でいじめにあっている子どもにとっては、中学校も同じメンバーというのは地獄”と、長期間固定する人間関係を危惧するものである。
6月3日の『尾木直樹(尾木ママ)オフィシャルブログ「オギブロ」』でも、“9年間も人間関係が変わらない”ことを尾木直樹氏も一番心配しているのだ。
小中一貫校では「中1ギャップ」(小学校から中学校に進学したとき学習や生活の変化になじめず、不登校等の問題行動につながる)にも対応できるという点に、尾木氏は“よくもそんな机上の空論を考えたものだ”とブログで怒っているようだ。9年間一緒で不登校は減ったとしても、“実際にはいじめ地獄です”とハッキリと記している。
また、尾木氏は先行している公立の「小中一貫校」の評判があまり宜しくないことも聞いており、“しっかり現場を見つめて欲しい”と訴えているのだ。
ブログには地域によっては自分の子どもが保育園や幼稚園、小学校と単学級だったという母親からのコメント、自分が子どもの頃の体験談が寄せられているが、いずれもいじめ被害者の逃げ場が無くなることが恐れられているようだ。学制改革を議論している政府の教育再生実行会議が学校運営を一体化するメリットを強調するだけでは、公立の「小中一貫校」に対する親たちの不安は増すばかりではないだろうか。
※画像は、『尾木直樹(尾木ママ)オフィシャルブログ「オギブロ」』のスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 みやび)