母親とまだ赤ちゃんである弟を守るため、11歳の長男は顔面を血だらけにしながら無我夢中で闘った。その相手はなんと、番犬とはいえ危険な闘犬として知られる大型のマスティフであった。
今、イギリスのメディアがこぞってその名を伝えているのは、ロンドン南部エルサムに暮らすジャック・マッケイ君という11歳の男の子。愛する母親と幼い弟の命を守るため、闘犬の血を持つ大型のマスティフ犬と死闘を繰り広げ、見事制圧したのだ。この写真は『mirror.co.uk』が報じた記事のスクリーンショット。治療を終え、なんともりりしい表情を見せるジャック君である。
事件が起きたのは自宅近くで今月8日のこと。ある飼い主が散歩中に突然リードを放したことでマスティフが暴走。ジャック君を含む4人の子の母親である、レイシー・ファーラムさん(29)に襲いかかったのである。マスティフを足で追い払おうと必死のレイシーさん。飼い主は「どうか大声をあげたり怒鳴ったりしないでください。興奮して怒り出すと手がつけられなくなります」と言うが、マスティフが狙っていたのはレイシーさんが抱っこしていた生後8か月のジェイコブ君。これにジャック君が叫び声をあげ、マスティフはこの少年に牙をむいた。
あっという間に倒され、腕を噛まれて右こめかみを鋭くえぐられたジャック君。マスティフは何度もこの子の首を噛もうとしたそうだ。そこに父親のマーティン・マッケイさんがラグビーのタックルさながらに突進すると、マスティフはやっと静かになった。ジャック君はただちにウールウィッチの「クイーン・エリザベス病院」に運ばれたが、「聖トーマス病院」の皮膚形成外科に移された。家族を守りぬいたジャック君の勇敢さを称える声とともに、マスティフといった大型で危険な闘犬を一般人が飼うことに厳しい規制を求めたいとする声が強まっている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)