数々のテロ事件に泣かされてきただけに、米国同様空港におけるセキュリティチェック体制は最高レベルと言われてきた英国で、最近スペインに旅行したある男性が「あまりにもずさん、とんだ茶番劇だった。航空会社の職員や入国審査官もパスポートをきちんと確認していない」と激怒していることが分かった。
英バーミンガム近郊ヘイルソーウェンに暮らす、理髪師のニール・クルロウさん(50)はこのほど怒りにも似た感情を英紙『デイリー・ミラー』電子版にぶつけた。航空会社の地上職員やその国の法務省職員である入国審査官は、“危険な人物を飛行機に乗せてはならない。入国させてはならない”という大事な使命を背負っているはずだが、「ずさんで呆れたよ。彼らの安全管理意識はかなり希薄だね」と話す。
先月のこと、友人のバースデーパーティに参加するため3泊4日でスペイン・バレンシア州への旅行を楽しんだニールさん。今回のフライトで利用したのはイギリスの人気LCC「モナークエアライン」で、彼は誤って元のガールフレンドが置いていったパスポートを携帯してしまった。この写真(mirror.co.ukのスクリーンショット)が示す通り、そのパスポートにはブロンドヘアの女性の顔写真が貼ってある。しかし搭乗手続きにおいてなんら支障は生じず、スペインのアリカンテ国際空港に到着した際も、最もチェックが厳しいはずの入国審査官が「スタンプ」を難なくポンッ。無事通過したというのだ。
誤ったパスポートで旅行をしていることに気づいたのはスペインの旅行中。本人の正しいパスポートがなければ帰国は困難と分かり、バーミンガムの家族の協力を得て、最も早いユナイテッド・パーセル・サービスの国際小包で受け取る手続きに1万2000円ほどを支払った。しかし運が悪いことにその郵便は誤って独ベルリンへ。すったもんだの末にようやくパスポートを得てバーミンガムへの帰路についた次第だが、ニールさんは「そもそも出国の時点でパスポートの誤りに気がついてくれよって感じだね。マレーシア航空MH370便が消息不明になっているっていうのに、よくそんな適当な仕事ができるもんだ。信じられないよ」と強く批判した。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)