オリンピックをはじめ数々の大会で勝ち続け、“霊長類最強女子”の異名を持つ女子レスリングの吉田沙保里選手。去る11日に、最愛の父・栄勝さんが急逝した吉田選手。まだ訃報から1か月も経たない中、31日、桜が満開の都内・岸記念体育会館で一般社団法人「日本スポーツ応援団」設立記者会見に登場し、同プロジェクトのPRに務めた。
2012年ロンドン五輪にてレスリング女子55キロ級で五輪3連覇を果たし、父・栄勝さんを肩車したシーンを憶えている人も多いだろう。その最愛の父が急逝して間もない吉田選手が、スポーツ選手が活動資金を調達するための新しいプロジェクトを告知する目的で、同じく女子レスリングの伊調馨選手、柔道の初瀬勇輔選手らと記者会見に出席した。
このたび設立された「日本スポーツ応援団」は、ウェブサイト(http://sports-ouendan.jp/)でプロジェクトを告知し、応援したい人が資金提供をする“クラウドファンディング”を展開する。 目標金額を達成した場合にはプロジェクトが成立し、支援者にはその金額に見合ったリターンが提供されるという。現在、同サイトはレスリング競技関連のプロジェクトだけが掲載されているが、今後、スキーなどの競技にも拡大していく予定だ。
この新しい取り組みに、吉田選手は「個人の人から具体的に応援してもらえるのは励みになるし大賛成」とし、伊調選手は「今までにない試みなので楽しみ。私にできることなら協力したい」と前向きに支援していくようだ。また、2008年北京パラリンピック柔道90kg級日本代表の初瀬選手は、「陸上やスキーのブラインドスポーツでは、伴走者が必要」「障がい者スポーツではサポートしてくれる人たちも手弁当で賄っている」という活動資金が必要な現状を訴えた。
バラエティ番組ではNEWSやテゴマスで活躍するジャニーズのアイドル、増田貴久のファンであると公言し、女性らしい一面も見せる吉田選手だが、この会見ではそのようなお茶目な顔は披露されなかった。しかし、知人を見つけて手を振る吉田選手には明るく弾ける笑顔が見られた。
『吉田沙保里オフィシャルブログ「さおりフォルダ 夢追人」』で29日に、「お父さんの実家である青森県に行って来ました!! そして、無事に納骨して来ました!!」と報告した吉田選手。今後は6月の全日本選手権、9月の世界選手権で優勝を狙う。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)