エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】たけしが浅草の居酒屋でロケ。店長が明かす“預かり金”の封筒に反響。「粋ってこのこと!」

ビートたけしがまだ売れない頃から通ったという浅草の“くじらの店「捕鯨船」”を番組のロケで訪れた。店のご主人も元お笑い芸人で、たけしの先輩にあたる。そんな2人のやりとりに視聴者も感じるところがあったようで、ツイッターでは「たけしさんの浅草の話面白い」「たけしさんは本当にすごい!」といった感想がつぶやかれている。中でもご主人が明かした“たけし預かり金”なる封筒の話題では、若手の浅草芸人たちも絡んで盛り上がった。

ビートたけしが歌う『浅草キッド』(作詞・作曲:ビートたけし)の一節「仲見世の煮込みしかないくじら屋」こそ、居酒屋「捕鯨船」のことだ。3月18日の『火曜サプライズ』でゲスト出演したビートたけしが、レギュラーのウエンツ瑛士とその店ののれんをくぐった。

店のご主人は元浅草の芸人で、ビートたけしが芸について相談したこともあり「俺が浅草だよ」と威勢がいい大将だ。テレビ番組で浅草を特集すると、浅草六区通りを飾る「渥美清」や「萩本欽一」などの芸能人の看板がずらっと並ぶ光景が映ることが多い。

実はこの看板を考えついたのが「捕鯨船」のご主人なのだ。浅草六区を何とか盛り上げようと企画したが、「肖像権もらうのに電話かけたり手紙書いたりして大変だった」という。それでも、萩本欽一ら歴代のスターたちは快く応じてくれた。そんな中で「予約済」と書かれた看板が1つだけ残っている。

大将は「ビートたけしがなけりゃ始まらないと頼んだら、『兄さん、おいらが死んだら飾ってよ』って言うんだから」とたけしの顔を見つめた。それから2日間悩んだという大将は、「俺は兄弟子なのでへりくだることもないと考え直して“予約済”に決定したんだよ」と成り行きを明かす。それを聞いてたけしは苦笑しながらも「今入れたほうがいいのかな?」と口にしており、名前を入れることも考えないではなさそうだ。

しかし、今度は大将が「かえって写真なんかよりこのままのほうが浅草らしくていいのかな~」と提案。たけしも「誰が入るかって言ったら、大体俺だと思うでしょ? でも入ってないんだ。これが面白くていい。ちょっと粋なとこだね」とやはり“予約済”の看板として飾られることとなった。

そんな粋な話が転がる浅草について、たけしは「浅草は売れなくても浅草芸人として死ねる」と語る。“渋谷芸人”とはいわないが、「俺は浅草芸人として頑張ってきたなと死ねる」そういう街なのだ。

今でも時々「捕鯨船」を訪れると、たけしは「若手芸人たちに飲ませてやってくれ」とそれなりのお金を大将に預けていくという。

たけしは大金を置いていき、その時に店にいたお客さんの分も全部払っていくそうだ。すると、大将が封筒を取り出した。“たけし預かり金”と書かれたその封筒には、飲み代に使った芸人たちの名前がメモされている。

「ねづっち」「米粒写経・居島一平」「ナイツ塙 10000」「ガンビーノ小林 17000」といったメモがあり、「ガンビーノなんて1万7000円もつかってる!」と大将。たけしも「あいつ、俺の弟子なのにふざけやがって」と苦笑していた。

その後、大将の仕込んだサプライズで奥から芸人たちが登場してたけしと対面することとなった。ナイツの塙宣之をはじめ、青空一風・千風、コンパス(西本宏一、中島和彦)らが登場すると、たけしは塙に向かって「俺らの全盛の時より、全然上手いよ。当然、我々よりお笑いが上手いのが当たり前だ」と言葉を送っている。

塙は「いつも、たけしさんのお金で飲んでる」と言うが、預かり金が残り80円しかないことが分かると「でも、けっこう俺持っていますので大丈夫です」と笑わせた。

たけしと大将の話や若手芸人とのエピソードについて、ツイッターでは「たけしさんと店長の話を聞いて泣いてしまう。粋ってこのことだな」、「たけしさんの浅草話が素敵すぎ」とつぶやかれており、中には「米粒写経の名前と写真出たー」、「チックタックブーンさんが後ろにいる」と若手芸人の思わぬ出演に感激するファンもいたようだ。

放送はされなかったが、きっとビートたけしはまた“たけし預かり金”の封筒を重くして帰ったことだろう。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)