ナポリのアパートのゴミだらけの一室に、8年もの間監禁状態にあった36歳の女性が救出された。この事件で、女性の母親である69歳の女が逮捕されている。
イタリアの日刊紙『Corriere della Sera』によると、警察は長年にわたりナポリのヴォメロ地区にあるこの部屋に目を光らせていたという。先月28日の午後にようやく家宅捜索が行われ、部屋の中で監禁状態にあった女性が救出された。女性は重度の栄養失調状態にあり、また精神的にも非常に衰弱していたため、すぐに病院に搬送されている。
監禁されていた一室は、外からドアに鍵がかけられ、全ての窓のシャッターは閉めた状態のまま固定されていた。さらに室内はありとあらゆる所がゴミで埋め尽くされ悪臭が漂うなど、とても人がまともに暮らすことができるとは言えない状況であった。
その後の捜査で、被害者の女性を監禁状態に置いた彼女の実の母親が、滞在先の親戚の家で見つかり逮捕された。女はその際、この部屋の鍵と被害者の保険証を所持していた。
警察の調べに対し、別の場所で暮らしていた母親は週に一、二度、数分間のみこのアパートに滞在し、女性のために食料の入った買い物袋を置いていったと供述している。被害者にとってはそれが命を繋ぐ全てであった。しかし、それらが十分な量とはいえなかったことは、彼女の栄養失調状態からも明らかであろう。なお、何故自分の娘を監禁するに至ったのか、その動機は伝えられていない。
警察では、逮捕された母親以外にも彼女の親戚や知人など他に3人の共犯者がいると見ており、捜査を続けている。
※ 画像はcorriere.itのスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)