相方のザキヤマこと山崎弘也(アンタッチャブル)とコンビでの出演を全く見ることがなくなった柴田英嗣。復帰からはや4年。最近はメディアでの露出も増えてきた柴田だが、相変わらずピンでしかお目にかかれない。今後、アンタッチャブルとして再び活動する可能性はあるのだろうか?
28日、東京・アクアシティお台場にて株式会社フジテレビジョンが提供開始する、『モバイルマガジン『「そこ、キク!」創刊』記者発表イベントが行われた。ゲストには柴田英嗣(アンタッチャブル)、高橋健一と今野浩喜(キングオブコメディ)が登場。その名の通り「そこまで聞いちゃうの?」と思うような、普段ではなかなか聞きづらい質問が飛び交った。
復帰から既に4年が経っているのに、露出が増えてきたのはここ最近のこと。柴田の休業中? いや謹慎中について多くの質問が飛び出した。待ってましたとばかりに「謹慎中はほとんど家にいました。記者が家に来るので家にいました。引っ越しは転々としたが、何でだかバレちゃう」「お金なんていらない。笑顔だけ提供できればいい。俺、ずっと芸人でいたい」と、メディアの前に出るのが本当に楽しいという雰囲気で答えた柴田。
「そこ、キク!」のコンセプト(聞きづらい内容を聞く)に乗っ取り、記者も質問を投げかけてみた。
記者「(不倫騒動後)奥さまにはどうやって許してもらったのですか?」
柴田「謝るしかなかった。1か月くらい謝り続けた。奥さんは物欲があるタイプではないので、子供にゲーム機をプレゼントしたりして奥さんも納得した。」
記者「山崎さんとのコンビ復活はないのですか? ファンも2人のコントを待ち望んでいますが…」
柴田「本当ですか? (そういう声は)あんまり聞かないんですよね。」
記者「いつごろ(2人のコント)を見られますか?」
柴田「逆にどれくらいがいいですか?」
記者「早い方がいいですよ!」
柴田「見たい見たいと言われちゃうと、今お笑いやってる人たちに勝てないんじゃないかなと思っちゃう。いつまでも『あいつらの方が下だな』なんて言うのは思い上がりで。きっと抜かれちゃう。抜かれていくものだと思う。そんな中つまらなくなった漫才をするのが怖い。幻想ばっかり膨らんじゃってる。“あの面白い漫才を”みたいな、自分で言うのもなんですけど。そんなものそうそうできないですから。何十年と培ってきてようやくできたネタがたまたま面白かったというだけで、今作った俺たちのネタが面白いわけないですから。」
高橋「そのハードルを越えていくところを見たいですね。」
柴田「無理だって。分かるでしょ? その辛さというか苦しみは。みんなが『そろそろあいつら、漫才やらないんじゃないか。ぶっちゃけ、これだけ(現場から)離れたら(漫才が)面白くないんじゃないか』っていう時にやりたいんですよね。」
高橋「ハードル下げすぎでしょ?」
柴田「ハードル下がったら、そこそこのネタでもウケるじゃないですか。そこ狙ってます。」
今野「ハードルが下がるの待つんですか?」
柴田「みんな一回忘れて欲しい。俺たちが漫才やっていたのを忘れて欲しい。『見たくない。いつまでやらないんだ。飽きたよ。もうやらないんですね、分かりました』ってなったらやります。」
高橋「見たい! その時見たい!」
柴田「その時見たいとなっちゃうとダメ。『その時見たくない』ってところからがいい。たまたま耳に入ってきちゃったくらいの漫才でいい。お客さんゼロでも口コミでそこから少しずつ入ってくれればいい。誰もいないくらいのところから始めないと、俺も山崎もビビっちゃうから、絶対。そんなに面白い漫才はできないから。」
何年もの間、コンビでの活躍がなくなったアンタッチャブル。毎年毎年、多くの後輩芸人が出てきてはブレイクしているのを自宅のテレビでずっと見てきた柴田ならではの発言だった。今年売れたからと言って来年も売れる保障はない。アンタッチャブルの漫才を、白紙に戻したところから再挑戦したいという思いが強く伝わった会見だった。下剋上の激しいお笑いの世界。ビビることを克服して、新たなアンタッチャブルをいつの日か見られることを気長に待つことにしたい。待っては見られないから、一度忘れることにしよう。
(TechinsightJapan編集部 うめ智子)