イングランドのスカーブラで、日照不足と悪天候によりペンギンが体調を崩していることが発覚。人間にも用いられる抗うつ剤を適量エサに混ぜて投与し、改善を図っているとして話題になっている。
北海に面する英ノース・ヨークシャーのスカーブラにある水族館「Sea Life Centre」で、フンボルトペンギンたちに抗うつ剤を処方したことが発表された。天候不順が続いたと同時にペンギンたちの元気や食欲が落ちていったことから、日照不足が関係しているのではないかと推測。エサに適量の抗うつ剤を混ぜ与えて改善を図っているという。
ヒトにおいては精神の安定や満足感などに関与し、“幸せホルモン”とも呼ばれている神経伝達物質の「セロトニン」。これが低下する一大原因に日照不足が挙げられ、「冬季うつ病」という病名は日本の雪国や北国でもかなりの認知度となっている。同水族館の学芸員であるリンジー・クロフォードさんは英紙『Guardian』に、「悪天候が続いた最初の1週間でペンギンたちは少しずつ元気をなくしていきました。1か月もすると彼らは完全にダウン状態で、ヒトと同様、動物も日照不足や悪天候でうつに陥るということを初めて知りました」と話している。
その名の通り、フンボルト海流が流れ込む南米チリやペルーの沿岸部で繁殖するフンボルトペンギン。日本でも各地の水族館で多数飼われており、暑さに強く厳しい寒さに弱いため、北国の動物園では暖房のある室内で飼育されているとのこと。ただでさえ日照不足といわれるイングランドだが、このところ激しい雨や風に見舞われる日が続いていたことでダブルパンチとなってしまったようだ。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)