オランダのアムステルダムで、アルコール依存症治療プログラムの一環として、「街の清掃をしたらタバコとビール」という驚くような褒美を与えているリハビリ施設があることが発覚。物議を醸しているが、「治療の過程としては成功と言えます」と責任者は強気だ。
アムステルダムの街に繰り出し、「ちょっとイイことが待っているからね」と言いながら道に落ちているゴミを拾って歩くあるグループ。彼らはアルコール依存症を克服すべく、リハビリ施設で治療プログラムを受けている真っ最中である。その施設は市から認定を受け、助成金も受け取っている民間団体の『Rainbow Group Foundation』。依存症患者らは10人ずつの2グループに分けられ、週に3回ずつ街の清掃活動に従事するが、それが終了すると褒美として8英ポンド(約1360円)、温かい食事とタバコ半箱、5缶のビールを与えられるというのだ。
参加者の1人、カレル・スリンガーさん(50)はメディアの取材に、「天気の良い日に公園でこうやってビールを飲む。最高のほろ酔い気分だね。でもここに来るには、やるべきことをやるという気持ちがまず大事だ。ダラっと座っていてはダメだよ」と語っている。
この実態が知れわたり、当然ながら世間や政治家からは「この治療プログラムには問題がある。助成金がお酒やタバコに使われるなど税金の無駄遣いだ」といった批判が舞い込んでいる。だが施設の責任者、ゲリー・ホルターマンさんは「彼らは以前はもっと大量に飲んでいた人々なんです。ビールが5缶に減ったのですから治療としては成功に向かっていますよ。仕事をする喜びを理解してくれたら次のプログラムのステップに進みます」と説明している。
※ 画像は仏メディアSipa Mediaが伝えたYouTubeのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)