幼い子を4人も持つも、アルコール依存症に由来する肝硬変により、35歳の若さで間もなくこの世を去ろうとしている女性がイギリスにいた。人々にアルコール依存の怖さを教えたいという思いから、やせ細り衰弱しきった女性の写真が公開されたのであった。
この写真は英紙『デイリー・ミラー』電子版が報じた記事のスクリーンショットである。彼女はイングランド中部シェフィールド出身のビバリー・ピッコラーさん。ボーイフレンドが見守る中、たった35歳にして間もなく天に召されようとしているのだ。ビバリーさんには6歳から15歳までの子が4人いるが、彼女の死が近いと分かって以来、子供たちは専門の施設に預けられてケアを受けている。
ビバリーさんの体をむしばんでいる病気の名は「肝硬変」。長年の飲酒癖によりビバリーさんはアルコール性肝炎になり、黄疸症状が出てもお酒をやめなかったことが災いして肝硬変へ。やせ細った皮膚は所々どす黒くなり、歯は抜け、全身が衰弱したばかりかてんかん様の痙攣にも苦しめられている。
ビバリーさんは夫婦関係のトラブルによるストレスから20代前半で酒に依存するようになり、好んで飲んでいたのはペリー酒(=梨を利用したペアサイダー)。そのアルコール度数はドライビール程度である。しかしこれを朝から缶や瓶で24本も飲み、夜になればパブに出かけ、帰宅するとさらにペリー酒を16本たいらげる、そんな暮らを続けていたそうだ。
ビバリーさんと6年交際してきたボーイフレンドのアンソニー・ハワードさん(31)は、同紙に「ここ5年半、入退院が続いていた彼女の世話をしてきました。体力がなく、ベッドに寝ているだけでも精一杯のようです。昨年の5月からいたHaythorne Place Care Homeという緩和ケアの施設では、彼女が最年少でした」と話す。自身も実はアルコール依存の問題と闘っており、臨終が間もないと分かってからはビバリーさんを自宅に引き取って付き添っている。「嫌なことはお酒を飲んで忘れればいいよとビバリーをパブに誘い、2人で大量の酒を飲んでいました。だから僕にも責任があるのです」とアンソニーさんの心境は複雑だ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)