『THE MANZAI 2013』で優勝したウーマンラッシュアワーが福岡のバラエティ番組に出演した。“ゲス芸人”と呼ばれる村本大輔だが、優勝祝いにと彼が好きなスポットを巡る中で普段とは違った姿が見られた。いつも虐げられているイメージのある中川パラダイスからは、意外な過去が明かされた。
昨年12月15日に開催された『THE MANZAI 2013』で、王者に輝いたウーマンラッシュアワー。それ以来、多忙な日々が続き「一番長い休憩時間で30分」だという。そんなスケジュールの中で九州福岡を訪れた彼らが、1月19日のバラエティ番組『ナイトシャッフル』(FBS福岡放送)に出演した。彼らを迎えてロケを行ったのは、『THE MANZAI 2013』にもエントリーした福岡出身のお笑いコンビ・BLUE RIVER(ブルーリバー)だ。
意外にも村本大輔がスイーツ好きということから、どら焼きを作る店に向かった。1食をスイーツで済ませることもできるほど甘いものが好きな村本は、自宅に“人には教えたくないフレンチトーストのお店”のような本をたくさん持っているらしい。
そうした情報はネタではないようだ。村本は生クリームが挟まれたおすすめのどら焼きを口にすると、「めちゃくちゃ美味い!」と目に涙をためて天を仰ぎながら絶句したのである。さらに女性店長が『THE MANZAI 2013』優勝記念に作ったスペシャルどら焼きを進呈すると、その味に感激し店長をハグして喜んだ。
さらに村本はジブリ映画が大好きで、作品は全てDVDとブルーレイをそろえており、サントラのCDも全部持っている。「小金井にあるスタジオジブリに大阪から豚まんを土産に持って、宮崎駿監督を出待ちしたこともある」というから、相当なファンである。
そんな村本大輔だが、子どもの頃は喧嘩が絶えない両親のもとで育ち、小学校でも友達が少なく隅っこにいるタイプだった。やがて、水産高校に進学するがなじめずに中退。19歳でお笑い界に入ったもののコンビの結成と解散を10回以上繰り返す。「僕がすごくダメ出しするから、相方が芸人に向いていないと感じて辞めていく」と村本は分析する。同期にはキングコングやNON STYLE、南海キャンディーズ、ピース、平成ノブシコブシといった芸人たちがいる。村本は彼らがテレビに出ているのを家で見ていた時代を、「地獄の日々だった」と振り返る。
村本が勉強のためにキングコング・西野亮廣のトークライブを後列の席で見ていた時のことだ。よしもとの支配人がその姿に気づき「あれ、なにしてんだ? あいさつに行こうよ」と村本を西野の楽屋に連れて行った。村本が顔を真っ赤にしながら「はじめまして」とあいさつをすると、西野は「同期なんや」と驚いていた。村本が「一番恥ずかしかった」と思い出す出来事だ。
一方で村本の辛い半生とは対照的に、相方の中川パラダイスは子ども時代について「お金持ちの家に生まれた」と意外な事実を明かしている。彼の父親は大阪では有名な人形屋の社長だった。「夏休みはいつも家族で世界一周旅行に行っていた」というほどその生活ぶりは裕福だった。
転機は12歳のときに訪れる。父親の経営する会社が部下に乗っ取られ、中川の生活は一気にどん底まで落ちる。中川もまた19歳でお笑いの世界に入るが、鳴かず飛ばずで20代には一時期芸人を辞めていた時期もあった。しかし27歳で村本とコンビを組むと、30歳で結婚して長男も生まれ、32歳で『THE MANZAI 2013』に優勝する。
ちなみに、中川といえば「パーラダーイス!」の一発ギャグ以外は村本から早口でまくしたてられるイメージが強いが、実は非常に運動神経が良いというから驚きだ。番組の企画で「空中ブランコに一発で成功」して「イルカにも一発で乗った」という。
そんな2人の個性がバランスよく作用してウーマンラッシュアワーの世界観が出来上がったようだ。しかし、そこにたどり着くには村本の「同期に復讐して見返してやる」という野心に支えられた努力があったことを忘れてはならない。
村本は新幹線で東京と新大阪を行き来する約2時間半の時間を使って、ネタを考え続けた。「ここ1年以上は新幹線で寝たことが無い。寝ないように連結部分に行って、ネタを作ってきた」と明かす。「この合間の作業を続けることが、良いネタにつながる。みんなが寝ている隙にネタを作るんですよ」と語る村本の言葉には、確かな自信が見えた。
新幹線で村本がネタ作りに励んでいる間、中川パラダイスは何をしているのか。そこを追及された中川は「ずっと、ゲームしています。パズドラとか」と平然と答えた。そんな彼だからこそ、村本大輔の相方が務まるのだろう。
ツイッターへの誹謗中傷が度を越えることから、場合によっては法的措置も考えているとマネージャーを通して意思表示したウーマンラッシュアワー・村本大輔。彼の“ゲスキャラ”がそうした辛い日々と、新幹線での努力から生まれたと思えばツイートの内容も変わりそうなものだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)