元モーニング娘。の藤本美貴がテレビ番組で“歌手の口パク”について持論を語った。「モーニング娘。は生歌にこだわる」と口パクではないことを明かすと、他のアイドルが歌うのを見るにつけて「それだけは許せない」ことがあるという。
フジテレビは音楽番組で生歌・生演奏にこだわることを宣言しているが、そのフジテレビのトークバラエティ番組『ワイドナショー』が1月20日深夜の放送で“歌手の口パク”について議論した。まず、昨年の1月に米国のオバマ大統領就任式で歌手のビヨンセによる国歌斉唱が口パクだったことを取り上げた。彼女は記者会見で口パクを認めて「歌いづらい環境を考えてリスクを回避した」と説明すると、その場で国歌を熱唱して見せたのだが、それを受けて出演者が口パクについて意見を述べたのだ。
MCの松本人志(ダウンタウン)やゲストの武田鉄矢(海援隊)が口パクについて「若い頃は許せなかったが、今はそれほど気にならない」と本音を語った。そんな中でゲスト出演していた藤本美貴はアイドルの状況について、「モーニング娘。は生歌にこだわる」と“口パク”は一切無いことを証言している。
彼女は「『下手でもいつか上手くなるから』と歌わされる」と裏話を明かしており、コンサート会場にもボイストレーニングの先生が同行するという。音程が外れると「そこ、音があってない!」と呼び出されて、指導されるそうだ。
藤本美貴も、「ビヨンセの場合のように会場が広いと歌いづらいこともあるのは分かる」と口パクが必要なことは認めている。ただ彼女は、「百歩譲って“口パクでもいい”としても、“口パクじゃない”ようにやって!」と主張する。アイドルにありがちだが、歌唱が難しいフレーズでも笑顔で歌いこなすシーンについて、「『その高音はその顔じゃ出ない!』、『その笑顔じゃ出せないでしょ!』ということを平気でやるんですよね。それがどうしても許せない」と訴えた。
若い頃は「口パクが許せなかった」という武田鉄矢だが、昔は美空ひばりが出演する映画でも歌はアフレコだったことを思い出していた。今となっては「口パクはエンターテインメントとして成立していれば許されるのではないか」と考えるようになったという。
フジテレビの音楽番組は確かに生歌が多い。今年に入り『新堂本兄弟』にアイドルグループの乃木坂46やNMB48が出演したが、どちらも楽器演奏を入れての生歌を披露しており「歌が上手いか下手か」ということよりもライブ感が伝わって「こんな風に歌うんだ」と楽しめた。“口パク”か“生歌”かについての答えは難しいが、その時の状況でどちらがエンターテインメント性が高いかが大切なようだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)