EU発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【EU発!Breaking News】救急車に年間1000枚以上のスピード違反キップを切るスコットランドの警察。

“お役所仕事は何かと融通が利かない。こんなのは日本だけだろう”などと思っていたら大間違いだ。スコットランドでは、警察は緊急搬送時の救急車のスピード違反を許さないそうだ。

スコットランド警察のスピード違反取り締まりについて、「あまりにも融通が利かないお役所仕事。人の命にも関わる大きな問題だ」と話題になっている。自動速度違反取締装置が違反を感知した救急車に対し、「スピード違反です。止まりなさい」と容赦なく停車させ、普段通りに違反キップを切っているというのだ。

救急車が病院に向かっている緊急搬送時であることが確認されれば、最終的には罰金の対象にはならないとのこと。だが救急車の運転手は「ここにご記入願います」として、多くの記入項目が並ぶ用紙とペンを渡される。後ろに重傷者や重病人を乗せていようと、形式的なペーパーワークにだけは付き合わなければならないのだ。

ここ2年弱で切られた違反キップの枚数はなんと2200枚にものぼり、「バカバカしい時間のロスだ」とボヤく消防局。同様に、スコットランド保守党(Scottish Conservative Party)の運輸調査委員であるアレックス・ジョンストン氏も、“労働力と税金の無駄遣いにつながる意味のない仕事”とこれを批判。「緊急車両は取り締まりの対象とすべきではない」とする要望書を警察に提出した。

しかしスピード違反を取り締まる側にも、定められた違反処理手続きの手順というものがあるらしい。「一度切ったキップを撤回する、その事務処理の方がよほど手間がかかる」と主張している。警察と消防局はともに市民からのSOSや通報を受けて駆けつけ、協力しあう立場にある。もっと融通が利きそうなものだが、ともに譲れない様子だ。

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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)