エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】KANA-BOON、ファン急増の秘密は“繰り返すフレーズ”か。

4人組ロックバンド・KANA-BOON(カナブーン)が人気上昇中だ。ライブ会場では女性ファンの姿が目立つようだが、彼らの魅力とはいったい何なのか。バンド名の由来とされる「KAT-TUNみたいでカッコいい」が表すように、ルックスで勝負するのだろうか。彼らのファンへのインタビューからはある「共通する答え」が返ってきた。

地元大阪の高校で軽音楽部に入っていた谷口鮪(ボーカル・ギター)が呼びかけて同級生でバンドを結成したのが、2008年のことだ。バンド名を考えるうちに、その頃ネットで流行ったアスキーアート(AA)のキャラクター「ブーン」と虫のカナブンを合わせて「カナブーン」という発想が出た。英語表記にすると「KAT-TUNみたいでカッコいい」ということから、現在のバンド名に決まったらしい。

大阪・堺の三国ヶ丘FUZZをホームとして活動するうちに、高校生を中心にファンが増える。数々の賞を獲得すると2012年4月には憧れのバンド・ASIAN KUNG-FU GENERATIONの前座を務めるまでに成長する。

2013年4月に大阪から上京し、6月には若者に絶大な人気のあるラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』(TOKYO FM)に初出演を果たして知名度を上げ、8月にはロックフェス『SUMMER SONIC2013』のRAINBOW STAGEでオープニングアクトを務めた。さらに10月30日に出した1stフルアルバム『DOPPEL』はオリコンウィークリーチャートで3位を記録、その人気を証明している。

11月18日放送の『ZIP!』では、そのKANA-BOONを取り上げた。インタビューを受けた2人連れの若い女性ファンは「めっちゃきてる!」、「もうチケットがとれないですよ」と彼らの人気を証言した。

彼らがデビューシングルのタイトルチューンでもある『盛者必衰の理、お断り』をライブで演奏したが、ビートがきいてノリが良いサウンドとボーカルやギターの熱いパフォーマンスは確かに引きつけるものがある。しかし、それだけでここまで急速にファンが増えるものだろうか。

さらに別の女性ファンに彼らの魅力を訊ねたところ、「メジャーデビュー前だけど、初めて聴いた時に『なんじゃこいつら?』と気になった」という。他にも複数の女性ファンから「1回でも聴いたら忘れない」、「ずっと歌っちゃう」、「頭の中を歌が回っちゃって」、「フレーズが繰り返している感じ」という証言があり、KANA-BOONの歌は一度聴いたら耳から離れないらしい。

メンバーの谷口鮪は、「忘れない歌を作りたいという気持ちは強い」と楽曲へのこだわりを語っている。「4人でバンと音を鳴らした時に、自分の耳にも心地よい歌詞をのせています」というからやはり、意識してそうした作詞をしているようだ。

デビューシングル『盛者必衰の理、お断り』に収録されている楽曲『かけぬけて』の歌詞には、「かけぬけて、かけぬけて、かけぬけてゆけよ」や「走りぬけ、走りぬけ、走りぬけてゆけ」といった繰り返すフレーズが多用されている。他の楽曲も同じ歌詞を繰り返すものが多いので、印象に残りやすい。

覚えやすい歌詞なので、ライブで新曲を初披露しても多くのファンが一緒に合唱するという。『ZIP!』のパーソナリティーを務めるTOKIOの山口達也は、「耳に残るのは大切なこと。初めてライブに来た人でも楽しめるというのは素晴らしい」と感心していた。「KAT-TUNみたいなカッコよさ」は無いかもしれないが、KANA-BOONの魅力に引き込まれるファンはまだまだ増え続けそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)