エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】『ほこ×たて』終了やむなしも、「やらせ完全排除ならバラエティなくなる」。

いわゆる“やらせ”が発覚し、放送終了が決定した『ほこ×たて』。同番組では「絶対に穴の開かない金属 VS どんな金属にも穴を開けられるドリル」対決のように従来の番組にはない、興味深い内容で人気のある企画も多かった。一部からは「『金属 VS ドリル』もやらせではないか?」と疑う声も聞かれる。『ほこ×たて』の放送終了を世間はどう受け止めているのだろうか。

“やらせ”が問題となったのは「スナイパー軍団 VS ラジコン軍団」。対戦者から「実際に対戦していないスナイパーと対戦したかのように描かれた」という指摘から発覚した。さらに、「どんな物でも捕えるタカ VS 絶対に捕らないラジコンカー」などの企画では“やらせ”だけでなくタカや猿への動物虐待とも言える扱いが指摘された。

フジテレビは調査の結果、大筋で事実を認めて「視聴者の皆様の期待と信頼を裏切る行為が確認された以上、真剣勝負を標榜している番組の継続は不可能と判断し、今後の『ほこ×たて』の放送終了を決定致しました」と発表した。

現在、Yahoo!ニュースが「『ほこ×たて』の放送終了をどう思う?」といった意識調査を実施している。その途中経過では、「放送終了もやむを得ない」が81.0%(111,580票)で「放送終了は妥当ではない」が14.9%(20,560票)、わからないが4.1%(5,553票)となっている。(Yahoo!ニュース 意識調査調べ 対象は13万7,693人。11月5日15時時点)

■『ほこ×たて』の放送終了をどう思う?
・「放送終了もやむを得ない」:81.0%(111,580票)
・「放送終了は妥当ではない」:14.9%(20,560票)

調査実施期間は2013年11月1日~2013年11月11日だが、現時点で判断しても視聴者の多くが『ほこ×たて』について「放送終了もやむを得ない」と考えていることが分かる。

回答者からのコメントで目立ったのが「やらせの時もあったけど、鉄の穴あき対決は良かった」、「この番組のおかげで、日本の町工場の凄さを知ることができたと思ったけれど、あれもヤラセだったの?」といったものだ。「金属 VS ドリル」の他にも食品サンプル職人やどんなものでも破壊する鉄球といった企画もあり、町工場への注目度が上がったことを評価するコメントが多い。それだけに“やらせ”がなおさら残念に思われているようだ。

「日本の技術レベルの高さは証明できたが、演出技術のレベルが低かった。視聴者は過剰な演出は望んでいない。ガチの対決を期待していた」という意見や、フジテレビに限らずテレビについて「制作側の捏造は日常茶飯事。ばれた側は『あ~あ、ばれちゃった。』程度のことでしょう。業界全体が腐っているのかもしれませんね」といった厳しい批判も出ている。

逆に、「いつの間にか日本人は遊び心をなくしてしまった。やらせって言葉はそんなに悪いことですか? バラエティ番組だよ。何にも考えず笑って見ればいいんじゃない」、「ヤラセを全て排除したら、民放からバラエティやクイズ番組は一切なくなる気がする」という見方もあり、まさに賛否両論である。

ただ、今回の“やらせ”は制作する局側が撮影や編集で行ったものであって、実際に対戦した方々は真剣にやっている。日本の町工場が常により良いものを目指して取り組む真摯な姿勢に変わりは無い。“やらせ”騒動でその点に誤解が生じないように注意が必要だ。

先日、ネットニュースで報じられた「『ぐるぐるナインティナイン』の人気企画『ゴチになります!』は『賭博罪にはならないのか?』」という記事。これに対して、岡村隆史はラジオ番組で「お前らバラエティ終わらせたいんか?」と指摘している。バラエティ番組については“やらせ”も含めてどこまでモラルを追求するのか、その答えは難しい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)