フランス南部のカトリック校に勤める50歳の女性補助教員が、ミュージック・ビデオに出演した。ところが、その演技があまりにエロティックすぎると問題になり、学校側は彼女を解雇した。このほど裁判所は、解雇を不当とする教員側の訴えを認め、解雇を撤回するよう判決を下した。

『Le Figaro』紙の10月29日付の報道によると、フランス南部ジュアン・レ・パンにあるカトリック校「Notre Dame de la Tramontane」に補助教員として勤務し、パートタイムで女優業も行っていた50歳の女教師Véronique Bonazzolaさんは、昨年撮影されたニース出身のラッパー・NOVIAの曲『Fontaine de Jouvence』のミュージック・ビデオに出演した。

エロティックな演出がされているこのビデオの中でBonazzolaさんはNOVIAの愛人役として出演。布地の少ないビキニを着けシャンパンを飲み戯れながらジャグジーに浸かり、明らかに性行為を連想させる演技を披露した。問題となったミュージック・ビデオ『Fontaine de Jouvence』の画像はご覧のとおり。画面左、褐色の髪の女性がBonazzolaさんである。

このビデオは発表後ほどなくして生徒の保護者たちの目にとまり、学校にクレームが寄せられた。結果、Bonazzolaさんは20年勤務していた学校を解雇されてしまった。Notre Dame de la Tramontane校の校長はこの解雇について「彼女の行為が学校側の規則に相容れないものであった」と説明している。

だがBonazzolaさんはこれに納得せず、「決して愉快でない役をたかだか5分弱のビデオの中で演じただけで、20年間真面目に勤めた学校を解雇されたのは不当である」として、解雇の撤回を求める裁判を起こしていた。このほどグラースの裁判所は、学校側の解雇理由が「現実的でもなく、深刻なものでもない」と判断。Notre Dame de la Tramontane校にBonazzolaさんの解雇を撤回するよう命じた。

一方、この件ではBonazzolaさんに対しても、金額は明らかになっていないものの罰金の支払いを命じる判決が下されている。とはいえBonazzolaさんはこの判決を非常に喜んでおり、フェイスブックに「学校からの不当な仕打ちに対して打ち勝つことができました！」とメッセージを残している。
（TechinsightJapan編集部　椎名智深）