日本でいう“野鳥の会”のような存在、イギリスの有名な自然動物保護団体が「RSPB」である。その新しい会長に就任した女性が、「車にはねられて道路脇で死んでいる動物を食べる」と告白し、話題を呼んでいる。
自然がありのままの姿で保存されているイギリスでは、人々はその保護に大変熱心。“日本野鳥の会”のイギリス版ともいえる団体が、120年の歴史を持つ「Royal Society for the Protection of Birds(英国王立鳥類保護協会=通称RSPB)」で、彼らは国内のみならず世界の野鳥保護のために活動を続けている。
その新しい会長にこのほどBBC職員のミランダ・クレストヴイコフさんという女性が就任したが、彼女がその挨拶の中で驚くような生活習慣を明らかにしたことから、世界に100万と言われる支援者(法人も)たちをびっくりさせた。
「スーパーマーケットで売られている動物の肉を食べるくらいなら、車にはねられて道路脇で死んでいる動物を食べた方が賢明です。」
なんと極端なことを…と思いきや、それは「例えばの話」という類のものでははかった。彼女は実際にそれを実践しているというのだ。自らが料理してディナーパーティを開くというミランダさん。最近では揚げたネズミにニンニクとしょうゆで味を付け、キツネはガーリックソテーにしている。またアナグマ料理にはトマトソースとクルトンを添えたそうだ。
「皆さんもそれを試すよう私は強く奨励します。道路脇で死んでいる動物こそ、体が引き締まり健康的でオーガニック。添加物ゼロの新鮮な肉なのですから。」
ロンドンから西に100マイルほど離れた、自然豊かなブリストル郊外に夫とともに暮らしているミランダさん。ある時、自宅付近でキジが車にはねられて死んでいるのを目撃し、それを持ち帰ってキッチンでソーセージにしたのがきっかけだそうだ。食べられない部分についても、ゴミに捨てず、野生動物や野鳥が食べられるようむき出しにして外に放つという。
「もっと自分が口にしているものに関心を持ってみてください。ラップに包まれている肉でなければ安心できないと考えるのは問題です。私たちはあまりにも単純に“吐き気がする。グロテスクだ”と言いすぎていませんか?」
売られている肉の安全性があれこれ話題になる現代において、この話はなかなか説得力がある。RSPBの会員や、狩った動物を自ら解体するハンターの中にはこれに強く賛同を訴える者が多いのかもしれない。一般人が実践するにはかなり難しいものがありそうだが…。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)