少年隊の東山紀之が、『ザ・ベストテン』などの音楽番組に多くのアイドルたちが出演していた時代の裏話を明かした。当時、少年隊と人気を分けたチェッカーズとの共演も多かったが、東山は藤井フミヤと一言も話さなかったという。「わきあいあいなんてやってられない、そんな時代が良かったなと思う」と彼はその頃を懐かしそうに振り返っていた。
今もジャニーズやAKB48グループなどアイドルたちが活躍しているが、コンサートや握手会などイベントが多いのに対して、1980年代のアイドル全盛期は音楽番組を中心に成り立っていたと言っていいだろう。今ではジャニーズの大御所となった少年隊の東山紀之が10月27日の『おしゃれイズム』に出演して、そんな1980年代のアイドル事情を語った。
『レッツゴーヤング』(NHK)や『ザ・トップテン』(日本テレビ系)、『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)そして『ザ・ベストテン』(TBS系)など様々な音楽番組が放送された1980年代には、男性アイドルではジャニーズの田原俊彦、近藤真彦から少年隊やシブがき隊、光GENJIなどジャニーズアイドルも毎回のように出演していた。それとは違う流れで人気があったのがチェッカーズや一世風靡セピアだ。
今は東山も交流がある元チェッカーズの藤井フミヤから、番組にメッセージが届いた。藤井は「俺たちは異質なアイドルとして鼻についた感じはあったと思う」と東山とはほとんどしゃべらなかったことを明かして、「俺のことを嫌いなんだなと思っていた」と笑いながら伝えたのだ。
それに対して東山は、否定せずに「嫌いっていうか、みんなライバルですから。ライバル心はもの凄くありました」と当時の気持ちを語り始めた。チェッカーズや一世風靡セピア、風見慎吾(今は風見しんご)といった人気があったアイドルに対しては、「同じ番組に出た時には“バチバチ”火花が散って一言も口をきかなかった」という。
『ザ・ベストテン』などのソファーやひな壇に座っても、「あいさつもしないし、話もしない」ほど緊迫感があったらしい。だがひな壇で談笑する姿を見かけたこともあるので、それはアイドル全般ではないだろう。おそらく東山のようにライバル心を燃やす一部の者だったのではないか。
今では藤井フミヤはもちろん、一世風靡セピアだった哀川翔や柳葉敏郎と顔を合わせると「戦友のような気がして話が弾む」という。しかし東山は、その当時を「(ライバル心を燃やす)そういうところが良い時代だった。わきあいあいなどでなく、バチバチしていたことが良い効果があった」と語っており、彼のとった態度は正しいと信じているようだ。
最近は音楽番組も少なく、当時のように出演者がひな壇に座る番組には『ミュージックステーション』がある。司会のタモリが話を振ることも関係しているだろうが、全体にわきあいあいという感じだ。もう東山紀之が出演することはほとんどないが、出演したジャニーズを見てどう思っているのだろう。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)