AKB48の32枚目シングル『恋するフォーチュンクッキー』(恋チュン)が8月21日に発売されて1か月以上が経つが、今もなお“恋チュンダンス”を踊った動画が次々とネットに投稿される人気ぶりだ。しかもそれだけの動画がアップされながらCDもロングセラーとなっており、異例な現象がAKB48ファンの間でも話題となっている。
『第5回AKB48選抜総選挙』で1位となった指原莉乃がセンターを務めるAKB48のシングル曲を、秋元康は当初「“指原音頭”みたいな感じになる」と指原に打診したという。できあがった『恋するフォーチュンクッキー』は音頭ではなくディスコミュージック風だったが、誰もが踊りやすいという点で共通している。
AKB48グループのスタッフたちが様々な場所で“恋チュンダンス”を踊った動画「恋するフォーチュンクッキー STAFF Ver.」を、YouTubeの『AKB48 Official Channel!』で公開したのが7月19日だった。その後、世界各国のファンが踊る「恋するフォーチュンクッキー FAN Ver.」がアップされると、すぐに「サマンサタバサグループ STAFF ver.」が投稿されて華やかさが話題となった。
すると今度は、9月8日に佐賀県から「佐賀県庁 Ver.」が投稿されたのだ。県知事が提案して作成したもので、県庁関係者が元気に“恋チュンダンス”を踊る姿が注目されて現在、再生回数127万回を超えている。その後も「AKB48お台場りんかい学校ダンス部 Ver.」、「ひかりTV STAFF Ver.」、「AKB映像センターSTAFF Ver.」、「GMOインターネットグループ STAFF Ver.」、「テイクアンドギヴ・ニーズグループ STAFF Ver.」、「サイバーエージェントグループ STAFF Ver.」、「KBC九州朝日放送 STAFF Ver.」と投稿は続く。
10月9日には九州・福岡のウェブマガジン&フリーペーパー誌より「AFRO FUKUOKA STAFF Ver.」 と、今年85周年を迎える東京の老舗タクシー・ハイヤー会社から「日本交通 Ver.」まで登場している。これらのほとんどが企業や地域の行政によるものだが、「恋するフォーチュンクッキー FAN Ver.」のように個人的な作品も多い。大学の学園祭で注目を集めるミスキャンパス、ミスターキャンパスたちが参加した「MISS&MR.COLLE Ver.」や兵庫県猪名川町の有志ボランティアスタッフによる「猪名川町 Ver.」などもあるのだ。
しかも『AKB48 Official Channel!』に取り上げられていないものも無数に存在し、最早どれだけの“恋チュンダンス”動画があるのか分からないほどだ。
“恋チュンダンス”動画の勢いがとどまることを知らない中で、『恋するフォーチュンクッキー』のCDもロングセラーとなっている。AKB48ファンによるサイトで27枚目シングル『ギンガムチェック』以降のシングル6作の売上げ傾向を分析したところ、4週目から7週目までの売上げ枚数平均は“恋チュン”が一番なのだ。今後も緩やかに下降すると思われ、総売り上げ枚数がどこまで伸びるかが予想できない状態である。
このまま“恋チュンダンス”の盛り上がりが続けばクリスマスパーティや忘年会シーズンに踊ろうといった流れになり、『恋するフォーチュンクッキー』が再ブレイクする可能性もある。AKB48の33枚目のシングル『ハート・エレキ』 が10月30日に発売される。また、じゃんけん大会で優勝した松井珠理奈がセンターとなる34枚目シングルも12月11日に発売予定だが、それとは別の流れで“恋チュン”の人気が定着するかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)