ジャニーズのA.B.C-Zがトーク番組『徹子の部屋』に初出演を果たした。アクロバットパフォーマンスを披露するという番組始まって以来の出来事に、黒柳徹子も大喜びだった。終盤ではすっかり打ち解けたところで、A.B.C-Zから黒柳への質問タイムがあり、メンバーが気になっていた“徹子の部屋芸人”のあの件に触れたのだ。
“徹子の部屋芸人”とはバラエティトーク番組『アメトーーク!』で生まれた人気企画である。これまで『徹子の部屋』に出演した数々のお笑い芸人たちが、ギャグを披露しても黒柳がほとんど笑わずに冷静な対応で返すことから、出演経験がある芸人や出演予定の芸人が集まって“黒柳対策”を講じるものだ。
かつて、ブレイクしたばかりのお笑いコンビ・ピースが『徹子の部屋』に登場した時のことだ。世間では何をやっても大ウケした頃の彼らが、黒柳から何か芸を見せろと言われて又吉直樹が一発ギャグを披露した。彼は子どもがダダをこねるように両腕を横に振り回して、「やだよやだよやだよ! 還暦迎えたくないよ!」と叫ぶネタを見せた。普通は大笑いとはいかずともクスリとするはずだが、黒柳はいたって冷静に「そうですか、いいと思いますよ」と返すのだ。そういう目にあってきたのが“徹子の部屋芸人”である。
“徹子の部屋芸人”にそんな態度をとる黒柳徹子の真意はどこにあるのか。お笑い芸人たちが知りたくとも聞けない禁断の質問を投げかけたのは、意外にもジャニーズアイドルだった。
10月2日の『徹子の部屋』のゲスト、A.B.C-Zの5人はテレビ朝日の“徹子の部屋スタジオ”から一番遠いロビーからエレベーターの前を通り抜けて、廊下を駆け抜けながら黒柳徹子の前までメドレーをパフォーマンスしながら登場したのだ。
彼らが最後に星形のフォーメーションをきめると、「キャー凄い! 星形のマークです!」と歓声をあげた黒柳徹子はすでにごきげんである。「この番組をやって38年になるけど、あんな風にバク転しながら入ってきたのは初めて! とても喜んでおります」と彼らを歓迎した。
大きなうちわで彼らを扇ぐサービスをする黒柳が、「汗が流れるのは知ってるけど、ぼたぼた落ちるのは最近あまり見なかった」と素晴らしいアクロバットとその体力に感心しつつトークは進む。そして番組も間もなく終わる頃に、「あなた方から質問があるの?」と時間をくれたのだ。
『徹子の部屋』をよく見ているという河合郁人が、“徹子の部屋芸人”のことについて「あれって、芸人さんに“無茶振り”しているんですか?」と切り出した。黒柳は「いえ、“無茶振り”なんかしていないわよ。私はいつも、あなたたちに接するのと同じように接しているだけ」と答える。そして「芸人のみなさんが何かを見せてくださって、面白ければ笑って、笑おうと思えなければ『ほーっ』と言うの」と続けると、A.B.C-Zも笑っていた。その『ほーっ』こそが芸人たちが恐れている反応だからである。
さらに黒柳は「それを“徹子の部屋芸人”とかいってDVDまで出している」と逆に突っ込むと、「そこだけ映すから、私が意地悪みたいになってしまう。そうではなくて、面白くないから『ほーっ』と言うだけなの」と念を押した。
彼女は以前にラジオ番組でも「お世辞で“うそ笑い”をしてもバレてしまう」、「その時感じた通りの反応をしている」と語っており、自身も芸人がゲストの時は笑えないかもしれないことにビクビクすることを明かしている。
そんな黒柳徹子が今回のゲストだったA.B.C-Zについて、ジャニーズの舞台でも観ていることから「お年寄りでも元気になれるのでぜひ観て欲しい」、「恥ずかしいとか言わずにジャニーズのステージを観ることをおすすめします」と高く評価していた。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)