バラエティ番組『笑っていいとも!増刊号』でAKB48やももいろクローバーZのダンスパフォーマンスが話題となった。アイドルの振付けが凄いという話の流れからAKB48の名前が出ると、「いや、ももクロの方が凄い」、「Perfumeは本当に凄い」と比較して熱いトークが繰り広げられる。HKT48の指原莉乃が「AKBはアイドルダンスだから」と主張するのだが、劣勢に立ってしまう。
9月1日の『笑っていいとも!増刊号』で、8月26日の本番を終えた月曜レギュラーメンバーによるフリートークが放送された。その中でアイドルのダンスパフォーマンスについて、どのグループが凄いかという話題になったのだ。
タモリが「AKB48よりももクロが凄い」と主張すれば、「Perfumeは凄い、ライブDVDを見ていたらあっという間に2時間経っていた」と言う千原ジュニア。HKT48の指原莉乃は「AKBはアイドルダンスですから」と言いわけのように話していた。
三村マサカズ(さまぁ~ず)はAKB48の板野友美が現役時代にレッスンするところを見て「太ももが凄かった」と鍛えていることを証言すると、指原は板野が子どもの頃からダンスを習っており「EXILEのバックダンサーをやっていた」と説明する。
最終的にはタモリがAKB48の『恋するフォーチュンクッキー』で親指を立ててニギニギする振付けを真似て、「あれから比べたらこんなことやってるだけ」とももいろクローバーZ(ももクロ)やPerfumeとの違いを指摘してみせた。同曲でセンターを務める指原は、振付けをしてもらえたことに「ありがとうございます」と苦笑まじりに礼を言うしかなかった。
さらにジュニアがその振付けに対して「ストレッチやん!」と表現すると、タモリも「ストレッチだよ」と同感する。指原はそんな2人に「踊ってますよちゃんと! でも、他のアイドルとか見ると凄いですね」と口にして目線を落としながら肩をすくめるのだった。
わずか1分程度のやりとりだったが、内容は前半と後半で主旨が違ってくる。前半はタモリとジュニアが「AKB48に比べてももクロやPerfumeのダンスは凄い」と主張している。そして後半は指原がセンターに立つ『恋するフォーチュンクッキー』の振付けが「ストレッチのようで生ぬるい」と指摘しているのだ。
アイドルの振付けについてどこに魅力を感じるかは人それぞれなので、こうした議論を耳にすることは少なくない。今回は短時間だったうえに立場上タモリの発言力が強かったので「ももクロやPerfumeは凄い」という方向に傾いたが、納得できないAKB48ファンも多かったのではないか。
AKB48は楽曲の歌詞と振付けの関連性を重視しており、激しくてキレが良いダンスよりも歌の内容を表現できるように組み立てられているという。『ポニーテールとシュシュ』や『Everyday、カチューシャ』などがそれに当たれば、AKB48の中でもアイドルらしくない『RIVER』や『UZA』はキレのあるダンスに重点を置いていると言えるだろう。
ももクロやPerfumeが『ポニーテールとシュシュ』を踊ってもAKB48の空気感は出せないし、もちろんその逆も成り立つはずだ。そのグループのコンセプトや曲にあった振付けが大切であり、“激しくてキレがあって凄いダンス”ほど魅力的だとは限らないのである。
「ストレッチだ」と言われた『恋するフォーチュンクッキー』も、“誰もが踊りやすい振付け”をテーマにしているので問題はない。そのテーマを追求したからこそ、世界中のファンが踊ってYouTubeに投稿するほど支持されているのだ。指原莉乃にも自信を持ってその良さを主張して欲しい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)