エンタがビタミン

writer : miyabi

【エンタがビタミン♪】南キャン・山里の温かい「おかえりなさい」に、泣きそうになった麒麟・川島。

お笑いコンビ・麒麟の川島明(34)が自身のブログで、2004年M-1グランプリの思い出を綴っている。当時、同じ吉本興業(大阪)から上位を目指してM-1に出場する他のコンビとの間には、言い知れぬ緊張感が漂っていたという。仲間というより、ライバルとして意識しざるを得ない状況だ。そんな中で南海キャンディーズの山里亮太(36)からかけられた温かい言葉が、今も川島は忘れられないのである。

8月4日のブログ『川島明のなんとなくにっき』では、M-1準決勝の前日に笑い飯と千鳥、そして南海キャンディーズと麒麟の4組が偶然に営業で一緒になり、「目を血走らせながら尋常じゃないテンポで漫才を披露した」としている。全コンビがM-1の舞台を想定し、4分で漫才を終わらせてしまったのだ。だがこの日の営業は各コンビ10分間、舞台に立っていなければならなかった。20分以上も早く全部の漫才が終わってしまい、余った時間はみんなで急遽ジャンケン大会を行ったそうである。

だがM-1準決勝では麒麟だけが敗退し、他の3組は決勝に進出。川島明はこの時の気持ちを、「悔しすぎて寝れない毎日。決勝にいけないこと、あの3組と決勝で戦えないことが辛い」と綴っている。最後の望みは敗者復活戦だけだった。

敗者復活戦は決勝当日の昼間、有明の野外ステージで寒さに震えながら漫才を披露した。そして麒麟の名が呼ばれ、すぐに決勝が行われているテレビ局へと移動となった。

前日まで決勝に進めなかった悔しさでいっぱいだったのに、川島は「またみんなの元へ帰れるんだ」という喜びに変わった。急いで楽屋に入った麒麟に、山里亮太が駆け寄ってこう話しかけたそうだ。

「おかえりなさい」。この言葉に川島は、泣きそうになったという。「今でこそ顔面わいせつ物陳列罪な彼ですが、あの時はハンサムに輝いてました」と振り返る。山里も麒麟がこの楽屋に戻ってくることを、心から信じて待っていたのだろう。そうでなければ、そんな言葉はすぐには出てこない。

その山里も翌年のM-1で優勝候補と言われながら、決勝で大敗し「もうお笑いは辞めよう」と自暴自棄になってしまったことがある。その山里を叱咤激励し、彼が自信を取り戻すための舞台を用意してくれたのは、吉本の先輩や仲間たちであったという。そこには、彼の芸人としての才能を惜しんだからという理由もあったのだろう。しかし何よりも普段の山里が優しくて信頼できる人柄だからこそ、周りが彼に手を差し伸べたのではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 みやび)