イギリスの7歳の少年が、「どうしたら宇宙飛行士になれるのですか?」とアメリカ航空宇宙局 (以下NASA)に手紙を書いた。それを受け取ったNASAの職員は、この子の夢を軽んじることをしなかった。なんとも丁寧な返事が少年に届いたとして話題になっている。
好奇心の豊かな子供がどうせ無理だと思うことをしようとしている時、親は「やめておきなさい」と言ってはならない。やはり「何でもトライしてごらんなさい」と励ましながら育てるに限るようだ。このほど7歳の少年がNASAから丁寧な手紙を受け取り大感激。宇宙飛行士になりたいという夢を実現させるため、「とにかくたくさん勉強する」と心に決めたもようだ。
“Dear nasa”とノートを使ってNASA宛ての手紙をしたためたのは、イギリスのデクスター・ウォルターズ君。青いロケットの中に2人の宇宙飛行士の絵が描かれ、そこに小さく“Dexter”という自分の名が添えられていた。7歳児らしい手書きによるその文章はこんな感じである。
“NASAが2人の宇宙飛行士をロケットで火星に送ると聞きました。僕は行きたいと思いましたが、7歳では無理だと言われました。でも将来は必ず行きたいです。宇宙飛行士になるにはどんなことを勉強すればいいのですか?”
世界中の少年少女から連日のようにこうした手紙が届いていると想像し、「忙しい彼らに返事は期待できないわよ」と息子には話していたという母のカトリーナ・アンダーソンさん。しかしダメ元で送ってみたところ、後日ポストにNASAからの手紙が入っていてビックリしたという。
そこには火星の地表を自動走行する探査車“Curiosity Rover”の写真、ステッカー、ブックマークが同封されており、手紙は「どうせ印刷された万人向けのものだろう」という母の予想に反し、個人あての立派な内容であった。“老若という年齢は問題ではない。宇宙に関することをたくさん勉強し、次世代のパイオニアとなって地球と宇宙探索、宇宙開発などに携わってほしい”などと長い文章でデクスター君を励ましている。参考ウェブサイトのURLがいくつか案内されたが、7歳のデクスター君が内容を理解するにはあと数年かかるであろう。それがまた少年の向学心をかき立てたことは言うまでもない。
アメリカにはアリゾナ州に「School of Earth and Space Exploration」という専門的な学校もあると知り、母のカトリーナ・アンダーソンさんは芸術系ウェブサイトの『fastcompany.com』の取材に「いずれはアメリカに留学し、地球を離れて行ってしまうのでしょう」と少しばかり寂しそうに答えている。一方でNASAは「少年少女からのこうした質問には精一杯答えていくようにしています」とのこと。子供が宇宙に強い関心を示しているという方は、「勇気を出して手紙を書いてみては?」と勧めてみるのもよさそうだ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)