バラエティ特別番組『芸能界特技王決定戦 TEPPEN』で“UFOキャッチャー”部門にAKB48の市川美織が挑戦した。AKB48から3人目のTEPPEN王者誕生が期待されたが、残念ながら2つ目の課題で脱落してしまう。膝を抱えてしゃがみこむ彼女の姿からは悔しさが滲み出ていた。そんな市川のGoogle+には、多くのファンから励ましの言葉が届いている。
これまで『芸能界特技王決定戦 TEPPEN』にはAKB48から松井咲子(ピアノ部門)と、当時メンバーだった仁藤萌乃(書道部門)の2人が挑戦してTEPPEN王者に輝いている。
今回、市川美織が“UFOキャッチャー”部門に挑戦することが告知されると、彼女が得意とするゲームであることからAKB48のために新設された部門ではないかという声も聞かれたものだ。だが蓋を開けると、応援していた柏木由紀が「一生のうちにUFOキャッチャーをこんな思いで見ることは無い」と口にするほど、手に汗握る戦いとなったのである。
挑戦者は安田大サーカス・団長安田、AKB48・市川美織、ザブングル・加藤歩そして自衛隊出身のタレント福島和可菜の4人だ。内容はそれぞれに準備されて同じように景品が並べられたUFOキャッチャーで、与えられた課題のテクニックを使って景品をゲットするというものだ。1つの課題で2度チャレンジでき、2度失敗すれば脱落する。
応援席にはAKB48の高橋みなみ、柏木由紀、川栄李奈が顔を揃えた。司会者からメンバーの市川美織の挑戦について尋ねられた高橋みなみが「小柄なんですけど凄く気持ちは大きい子なので、AKBの代表としてやってくれると思います」とコメントすると、市川もうなずいた。
最初の課題「横四方取り」は、寝ているプーさんのぬいぐるみを縦方向からクレーンで挟んで持ち上げる方法だ。これを団長安田は一発でクリアした。2番手の市川は裸足で挑み、左足を後ろに引いて目の高さを低くする独特のスタイルを見せて周囲を驚かせた。だがプレッシャーからか、1度目は失敗してしまう。
「今、ぴったりだったのに」と高橋や柏木も唖然とするが、達人によると中心から少しずれていたということだ。高橋は「今、見ながら泣きそうになったんですけど」と話すと、市川に向けて「まだ1回あるから大丈夫!」と声援を送った。それで気持ちを落ち着けたのだろう。彼女は2度目をクリアして脱落を免れたのだ。
応援する高橋ら3人も感激して笑顔で拍手を送ると、市川も「一番苦手な課題だったけど、プレッシャーに勝てたので自分に勝てた気がする」とホッとしていた。その後は加藤と福島が1度でクリアして、全員が次へ進んだ。
続く課題「ホールフック」は、トイ・ストーリーのフィギュアが入った四角い箱の両側面に空いた穴にクレーンのフックをかけて持ち上げるものだ。1番手の団長安田はこれも一発で成功したことで、再び市川へプレッシャーがかかる。
すると、市川は1度目を失敗してしまい苦悩の表情を見せる。高橋から「自分を信じて、大丈夫!」と元気づけられるが、わずかな誤差で2度目も失敗してしまうのだ。ゲーム機の横に座り込んで膝を抱えるように小さく丸まった彼女の姿は、今にも消えそうなほどだった。
やがて立ち上がった市川は、「なんかもっと、違う自分でいたいと思ったんですけど。新しい自分を先輩方にも見て欲しかった」となんとか話すことができた。高橋は「本当によくがんばったなと思います。本人の悔しさはびしびし伝わってきたので、新しいというか頼もしい姿が私の目には焼きつきました」と感想を伝えたのである。
3番手の加藤も2度失敗してしまい、市川に続いて脱落した。司会者から敗因を問われた加藤は「悔しいです!」と得意のギャグを披露して、芸人としての仕事は果たしていた。
それを思えば、市川は敗れた状況で「フレッシュレモンになりたいの~!」のキャッチフレーズを披露するわけにはいかないのが残念だ。彼女がそれを出すことができるのはTEPPENを取った時だけなのだ。
課題をクリアした2人による決戦は、4つ目の課題「ヒモ掛け」までもつれこむ。それまで好調だった団長安田が2度失敗すると、「ヒモ掛けでこれまで何百とぬいぐるみを取ってきた」と自信を見せた福島が、一発でクリアして初代TEPPEN王者に輝いたのである。
放送後には『市川美織 Google+』にコメントが殺到した。「悔しい。泣いちゃったー」というコメントのように、市川の気持ちになって見ていたファンも多い。「めっちゃ伝わった! ほんまに難しい! レベル高い!」とゲームの難しさを痛感したものや、「よくやったよ。いいもの見せてありがと」、「見てて辛かったけどすごくかっこよかったです」と彼女の姿に感動したコメントもあった。
「新たな一面というか表情が見れてよかった。緊張感ある真剣な眼差しに心動かされた」、「見ていた人の『心』はしっかりキャッチしたよ」というようにTEPPENは取れなかったが、市川の魅力はしっかり伝わったのではないだろうか。
その市川美織が放送から一夜明けた2日に、ブログ『あ~したレモンにな~れ!』で「みおりんの真剣な思いが皆さんに伝わっていたらすごく嬉しいです! でも正直…悔しいですね」とTEPPENで敗退した心境を明かしている。小さな頃からUFOキャッチャーが好きだったという彼女は、この日のために相当な練習を積んだという。「こんなにも本気になれたことは無かったかもしれません!」と、その熱さはAKB48の活動を超えそうな勢いだ。
彼女は「TEPPENに出演できただけでも、自分にとって財産になった」と感謝するが、やはり「リベンジして自分の力でTEPPENとりたいっ!」と諦めてはいないのだ。第2弾のUFOキャッチャー部門があるかは分からないが、もし開催されればその時こそ「フレッシュレモンになりたいの~!」を見せて欲しいものだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)