競泳の北島康介選手のアドバイスで、75歳のおばあちゃんが水泳の練習をする30日間を追ったスポーツ飲料・アクエリアスのCMが話題だ。テレビで良く目にする30秒バージョンも感動を覚えるが、公式サイトやYouTubeで公開されたCMのフルストーリーには「これは泣ける」、「感動して涙がでました」などの大きな反響があった。
4月17日からテレビで流れたアクエリアスのCM「泳げるようになりたい」篇には、15秒と30秒のバージョンがある。顔を水に浸けることもままならないおばあちゃんが、水泳教室で北島康介選手のアドバイスを受けながら「クロールで25mを泳ぎたい」とチャレンジする30日間を追ったものだ。
『アクエリアス公式サイト「アクエリアス チャレンジャーズパーク」』やYouTubeに同CMのフルストーリー版が公開されており、おばあちゃんが水泳にチャレンジする背景や生き生きと努力を続ける日常がより詳細に記録されている。水泳教室での子どもたちとの交流や、水泳インストラクターの娘さんとの関係などが約4分にわたり流れる。
75歳のおばあちゃんは、若い頃にやり残したものを考えたら「泳ぐこと」だと思い当たり、娘さんがインストラクターでもあるので「泳げるようになって、一緒に泳ぎたい」と水泳を始める。30日目にクロールで25mに挑戦する時には、子どもたちはもちろんプールにいる人々が一丸となって応援するのだ。
見に来てくれた娘さんは「私がインストラクターをしているのに、泳ぐなんて言ったことも無かった」、「これだけ泳げたら十分。凄い感動です」と母親の意外な姿を見て涙していた。プールから上がってきた母親を「お母さんおめでとう!」と迎えて、抱きあって喜ぶ姿が微笑ましい。
ツイッターや公式サイト、YouTube動画へはこのフルバージョンを見て感動したというコメントが殺到している。「CMで泣いたの初めて」、「テレビで泣くことなんてなかったのに、このCMはもう本当に泣ける」、「全部見て目頭が熱くなった」といったコメントが多いように、理屈抜きで涙腺が緩む内容である。
「すごいよお婆ちゃん!」、「おばあちゃんカッコいい!」とおばあちゃんの姿に感激するものや、「笑顔なんだけど死ぬほど苦しい、でも頑張ってる系は余計に泣けてしまう」というコメントもあった。優しい笑顔で辛い練習を耐えるおばあちゃんだけに、なおさら心を打たれるのだ。
その頑張りには年齢を超えて感銘を受けた者もあり、「私も泳げない…。泳ぎたいな、チャレンジしてみようかな?」、「人間ってやる気さえあれば、年齢に関係なく進化できるんだよね」という内容も少なくない。今回、水泳指導に関わった北島康介選手はアクエリアス公式サイトのインタビュー動画でこう話している。
「75歳という彼女の年齢に皆さん驚かれると思うが、僕が伝えたいのは『自分がしたい、泳ぎたいんだ』という気持ちがすごく大切で、その気持ちがあれば年齢に関係なく壁を乗り越えられる」と伝えている。彼がチャレンジを手伝ったおばあちゃんについても「ひたむきな、聞いてくれる眼差しは子どもと一緒なんですよね」、「本当に泳ぎたいんだなと感じた」と語った。
年齢に関係なくといえば、折しも冒険家の三浦雄一郎さんが80歳にして世界最高峰、エベレストの登頂に成功して5月29日に無事帰国した。日本国民だけでなく世界の人々が彼の雄姿に勇気や元気をもらったことだろう。高齢化社会となり年金などのシステムが問題視されている昨今だが、高齢者個人が持つ可能性を伸ばすことにも目を向けたいものだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)