香取慎吾主演の火10ドラマ『幽かな彼女』がおもしろいとネットでも話題となっている。中でも前田敦子演じる美脚女教師のブラックな一面には「あっちゃんの裏のキャラ面白くなりそう」、「あれ素だろ、違和感なし」という感想も出ているのだ。
「先生の背後に、ヒミツあり。」のキャッチコピーが意味するものは幽霊のことだけではないようだ。ドラマ『幽かな彼女』は、中学校とその生徒が住む地域を舞台に教師と生徒と幽霊の姿が描かれる。それらの裏側(ヒミツ)をえぐるような内容もあり、現代社会への問題提起ともなっているのだ。
世田谷区立小原南中学校に転任してきた教師の神山暁(香取慎吾)は、3年2組の担任となる。その副担任の河合千穂を演じるのが前田敦子だ。神山は前の学校でのある出来事をきっかけに、生徒に関わらぬ主義となった。そんな彼の無関心な態度に河合も共感する。彼女は生徒に無関心で事なかれ主義を通しており、いずれは転職を考えている。
神山が引っ越してきたマンションの304号室には、幽霊が住みついていた。以前住んでいた女教師が何らかの理由で自殺して地縛霊となったのである。その幽霊アカネ役を務める杏は、生徒に対しても熱心な昔ながらの教師を好演している。そのアカネの言動で神山は少しずつ教師としての情熱を取り戻していくのだ。
他にも教師陣にKis-My-Ft2の北山宏光や高嶋政宏など個性派がそろい、幽霊役で佐藤二朗がいい味を出している。中でも新任の副校長役で真矢みきが重要な役割を演じる。そうした濃いキャストの中で前田敦子が埋もれるどころか、注目を浴びているのだ。
第1話「先生は情熱ナシでも霊感アリ!?」では、冒頭の始業式シーンで河合千穂(前田)が生徒たちに「携帯しまってよ~」と呼びかけるが、一部の女子生徒が「うっぜーな河合」とつぶやいて素直にはしまわない。河合も気づいているが、「しまったふりしてんじゃねぇよ、クソガキ」とこぼす。このように時々出てくる彼女の裏の顔が“ブラック前田”としてネットでも話題となった。
さらに第2話「中学生にも経済格差!?」では、神山(香取)がアカネ(杏)の言葉に刺激を受けて女子生徒を窮地から救うために、学校側でもご法度とされる生徒の“カバンの抜き打ち検査”を決行する。そんな彼の熱血ぶりに“生徒に無関心な同類”と共感していた河合はひとりで「めんどくせぇじゃん、あいつ」と吐き捨てるのだ。
AKBファンのサイトで早速、その内容が取り上げられると「すげーブラック千穂先生」、「黒あつ出たー!」、「裏敦子」、「あっちゃん怖いよ」とコメントが寄せられている。“ブラック前田”の降臨にショックを受けた者は少なくないのだ。
前田敦子へもツイッターで「幽かな彼女見たよ。河合先生が本性を表した瞬間は本当にビビってしまいました。エー!って感じ」などの感想がつぶやかれており、彼女も演技に手応えを感じたのではないだろうか。
実は、このドラマについては前田敦子の演技にもまして学校の教師と生徒の実態をリアルに描いていることへの反響が大きい。第2話では副校長の霧澤和泉(真矢みき)が、生徒に「教師の評価アンケート」を実施するなど改革に踏み出す。また、彼女とアカネとのつながりを感じさせる発言も飛び出した。
神山暁だけではなく、教師や幽霊が生徒やPTAと複雑に絡んで、第3話からはさらに意外な展開となることは必至である。今後は、神山と敵対するかもしれない河合を演じる“ブラック前田”にももちろん注目しておきたい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)