ロックバンド・MONGOL800(通称、モンパチ)が音楽番組『Music Lovers』に出演して沖縄在住のままでバンド活動を続ける理由などを語った。今年は結成して15周年ということもありメディアでも姿を見せる機会が多いが、彼らは「滅多にテレビに出ない」ことで知られる。そのことについての質問も飛び出した。
結成15周年を迎えるモンパチは、2月20日に2年ぶりのオリジナルアルバム「GOOD MORNING OKINAWA」をリリースする。2月3日の『Music Lovers』では彼らの代表曲ともいえる「あなたに」「小さな恋のうた」や新アルバムのリード曲「Love Song」を披露した。また、モンパチファンである斉藤祥太やハリセンボンとのトークでは、「あなたに」の歌詞の秘密など貴重な内容が聞かれたのだ。
今も沖縄に住み、ライブなど中央での活動は飛行機で通うスタンスを貫く。ORANGE RANGE(オレンジレンジ)など多くの沖縄在住のミュージシャンがとるスタイルをいち早く確立させたのが、モンパチと言える。「なぜ、ずっと沖縄に住むの?」と尋ねられると、ドラムの高里悟は「家に帰るのは普通のこと。それだけだと思うんですけど」と自然体で答えた。
ただ、上江洌清作(ベース・ボーカル)は「実際は不便ですよ。ライブで使うものを飛行機とか船に載せないといけない」と明かしており、手間がかかり大変ではあるのだ。上江洌はその上で「でも、なぜか家を移すことは一度も考えたことが無い」と続けた。移動のわずらわしさがあっても、沖縄への気持ちは揺るがないのだ。
今回の『Music Lovers』やそれ以前の1月25日には『ミュージックステーション』へも出演したモンパチだが、本来はほとんどテレビ出演をしないことでも知られる。その理由について上江洌は「そういう欲がなかった。バンドを作ってライブができて、自分たちのアルバムが作れた。それだけで満足」と話す。
彼らは基本的にシングルを出さずに、アルバム中心の制作活動を行う。所属事務所は沖縄県宜野湾市のインディーズ系レコード会社でもある「ハイ・ウェーブ」だ。「沖縄の小さな会社と契約してやっており、自分たちで考えて動かないといけないし、自分たちに責任がある。公共の電波向きじゃ無いと思う」と上江洌は語った。
沖縄に住んで、沖縄のレコード会社と契約して活動する。沖縄を大切にする彼らのスタイルが中央のテレビ番組への出演が少ない理由なのである。
モンパチの歌詞に元気づけられるという斉藤祥太は、「“あなたに”などの歌詞は誰を想って書いたの?」と質問した。作詞をした上江洌は「18とか19歳の時に好きな人がいて…」と話すが、彼の作品は1曲の中に何人もの相手への想いが書かれているのが特徴だという。例えば“あなたに”の「人にやさしくされた時」というフレーズは男性の友達に向けて書かれたものだ。上江洌は「1曲の中に友達や異性だったり、いろいろな人への想いが詰まっている」と説明した。
モンパチのラブソングには恋だけでなく友達への感謝も歌いこまれているのだ。斉藤祥太のように彼らの楽曲を聴いて勇気や元気をもらえるのはその為かもしれない。新アルバム「GOOD MORNING OKINAWA」ではラブソングの中にも今の沖縄から発するメッセージが込められており、15年目のMONGOL800が詰まった1枚となっている。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)